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クボタは、ユニバーサルジョイントのグリースアップを「古いグリースが押し出されたら補給完了」と説明しています。
また、ニプロのロータリーの取扱説明書は、ジョイントのグリースニップルに「使用時ごとに」グリースを入れるよう書いています。
2026年10月時点で、編集部がメーカーやJA、農林水産省の公開資料を開いて確かめた結果です。
グリスが切れると、ジョイントの十字の部分にあるベアリングが焼き付くことがあります。ジョイントを丸ごと替えると、部品だけで3万円台からかかる例がありました。
ロータリーを付けたまま、何年もグリスを入れていない。黄色いカバーの中がどうなっているか分からない。どこにグリスを入れるのかも知らない。
そんな方に向けて、トラクターのユニバーサルジョイントのグリスアップを、手順と時期に分けて整理した記事です。
結論から言うと、グリスは使うたびに入れるのが取扱説明書の例です。始める前にPTOを中立にしてエンジンを止め、付けるときは向きと長さとチェーンを確かめます。

この記事で分かることは、次の4つです。
- ユニバーサルジョイントの仕組みと、グリスを入れる場所
- グリスを入れる時期と、切れたときに起きること
- クボタの手順に沿った、外し方と入れ方
- 付けるときの確かめ方と、頼んだときの費用
どれもメーカーの資料やJAの料金表で確かめた内容です。金額には時点と税の扱いも添えています。
トラクターのユニバーサルジョイントは、いつ・どこにグリスを入れるのか
前半では、ユニバーサルジョイントの仕組みと、グリスを入れる場所を確かめます。そのうえで、時期とグリスの種類、量の目安を見ていきます。
ユニバーサルジョイントとは|PTO軸とロータリーをつなぐ回転軸

まず、ユニバーサルジョイントがどこにあるかです。トラクターの後ろにはPTO軸という回る軸が出ていて、ロータリーなどの作業機に動力を送っています。
その間をつなぐのが、ユニバーサルジョイントです。クボタKLシリーズの取扱説明書も、ジョイントで動力を取り出す作業機として、ロータリなどを挙げています。
また、同じ取扱説明書は、作業機ごとに決められたPTOの回転より速く回さないよう書いています。農林水産省の指針も、PTO軸と作業機の回転方向と回転数を、使う前に確かめるよう求めています。
ロータリーは油圧で上げ下げするので、PTO軸との角度や距離がいつも変わります。それでも回し続けられるように、ジョイントは曲がる部分と伸び縮みする部分を持っています。
曲がる部分は、両端にある十字の部品です。クボタはこの部分をヨーク(スパイダ)と呼んでいて、中に小さなベアリングが入っています。
ちなみに、クボタの解説の写真は、ロータリーRL18S用のジョイントで撮影されています。オートヒッチで付けるタイプで、オートヒッチのフレームにはジョイントホルダという受けの部品も付いています。
伸び縮みする部分は、中央のシャフトとスリーブです。2本の軸が筒のように重なっていて、すべりながら長さを変えます。
また、十字の部分は、ジョイントの両端に1つずつあります。2つの十字が角度の変化を受け持つので、ロータリーを上げても下げても回り続けられるわけです。
そして外側を、黄色などの安全カバーが覆っています。カバーは回転止めのチェーンでつなぎ、ジョイントと一緒に回らないようにしてあります。
なお、ジョイントの両端は、ロックピンで軸の溝に留めてあります。外すときはピンを押し込んだまま引き抜き、付けるときはピンが溝に入ってロックされたことを確かめます。
なお、ジョイントの形や長さは、トラクターと作業機の組み合わせで違います。部品を頼むときは、トラクターと作業機の両方の型式を控えておくと話が早く進みます。
グリスを入れる場所|十字のスパイダ・カバー・しゅう動部
次に、グリスを入れる場所です。クボタのユニバーサルジョイントのグリースアップの解説は、箇所はロータリの取扱説明書で確かめるよう書いています。
そのうえで、作業を始める前に、グリースニップルやしゅう動部をあらかじめ確かめておくよう勧めています。切り傷を防ぐため、手袋を付けて作業するよう書かれていました。
しゅう動部とは、シャフトとスリーブがこすれ合う所のことです。
まず1つ目は、十字の部分のグリースニップルです。ニップルは、グリースガンの先を押し当ててグリスを送り込む小さな口金です。
2つ目は、安全カバーです。ニプロのロータリーの取扱説明書では、広角ジョイントのカバーにもグリースニップルが左右に1つずつあるとしています。
実際に、農家の発信するnoteの記事でも、作業機側の受け口とカバーの隙間にグリスニップルがありました。カバーの中のスライドリングの部分にも、ニップルが付いていたそうです。
3つ目は、シャフトとスリーブのしゅう動部です。こちらはニップルではなく、グリスを塗り広げる場所です。
また、個人の整備記録では、十字の部分のベアリングは4方向からグリスが出てくるまで入れていました。ミツビシのGF150という小さなトラクターの例です。
その記録では、PTO側のニップルにグリースガンの先が当たらず、ジョイントを外してから入れていました。機種によっては、付けたままでは入れにくい場所もあるということです。
ちなみに、その記録では、二硫化モリブデン入りのグリースを使っていました。黒っぽい色なので、汚れて見えやすいとも書かれています。
なお、ロータリの取扱説明書が手元にない場合は、メーカーのサイトから取扱説明書をダウンロードできることもあります。クボタの解説にも、取扱説明書のダウンロードへの案内がありました。
時期は使うたびに|シーズン後はスプラインとロックピンも

では、いつ入れればよいのでしょうか。ニプロのロータリーの取扱説明書には、ジョイントの給油の時期が場所ごとに書かれていました。
| 場所 | 時期と方法 |
|---|---|
| グリースニップル | 使用時ごとにグリースを注入する |
| ジョイントのスプライン部 | シーズン後にグリースを塗る |
| シャフト | シーズン後にグリースを塗る |
| ロックピン | シーズン後に注油する |
つまり、ニップルには使うたびに入れ、ほかの場所はシーズンの終わりに手入れするという分け方です。スプラインとは、軸の外側に刻まれた細い溝のことです。
さらに、作業を終えたら水洗いして水分をふき取るよう書いています。塗装のできない入力軸とジョイントのスプラインには、必ずサビ止めのためにグリースを塗るとしています。
加えて、作業後は入力軸にキャップをかぶせるよう書いています。クボタKLシリーズの取扱説明書も、PTOを使わないときはPTO軸キャップを付けるよう求めていました。
このように、使うたびのグリスと、シーズン後のサビ止めは役目が違います。前者は回る部分の摩耗を防ぎ、後者は使わない間のサビを防ぐ手入れです。
一方、鹿児島県の日常点検の資料は、ユニバーサルジョイントのグリスアップを毎月の点検に入れていました。クボタの解説も、不具合を防ぐために定期的に行うよう書いています。
ちなみに、鹿児島県の資料の同じ欄には、ロータリのチェーンケース付近の油漏れの点検も並んでいます。グリスアップのついでに、周りの油のにじみも見ておくと効率的です。
ただし、時期の書き方は資料や機種によって違います。この記事の表はニプロの1つのロータリーの例なので、お手元の作業機の取扱説明書で確かめてください。
屋外に置いたままの作業機のサビが気になる方は、農機具の雨ざらしで傷む場所と5つの数字もあわせてご確認ください。
グリスが切れると|スパイダの焼き付きで交換に

グリスを入れずに使い続けると、何が起きるのでしょうか。
まず、農家の発信するnoteの記事です。ジョイントの故障の主な原因を、グリース切れによるスパイダーベアリングの焼き付き・破損・摩耗としています。
また、岐阜県の農業法人の修理記事では、長い時間の作業でジョイントが消耗し、スパイダーの部分が壊れた例を紹介しています。古いスパイダーを押し出し、新しいものに組み替えていました。
ユニバーサルジョイントを専門に作る協和工業も、給油が十分であるほど寿命が延びると説明しています。使い始める前に、十分な初期給油を行うよう求めています。
なお、その修理記事は、新しいスパイダーにグリスの注入口を付けるとき、締めすぎると折れると注意しています。組み付けたあとは、使う前にグリスアップするよう書いていました。
さらに、グリスは潤滑だけでなく、水やほこりを防ぐ役目もあります。ヤンマーのFAQは、グリスの働きとして、軸受けの密封性を良くすることと、水や塵ほこりの侵入を防ぐことを挙げています。
つまり、グリスはジョイントの寿命を延ばすための消耗品です。数百円のグリスを惜しむと、数万円の部品を替えることになりかねません。
クボタの解説のまとめにも、古いグリースが出てくるまで補給し、グリースニップルが傷んでいる場合は交換するとあります。入らないまま放っておかないことが大切です。
ベアリングが傷んだときの直し方と費用は、トラクターのベアリング交換費用もあわせてご確認ください。
グリスの種類と量|古いグリスが押し出されたら終わり
続いて、グリスの種類と量です。クボタの解説は、道具として推奨規格のグリースとグリースガンを挙げています。
また、ヤンマーのFAQは、トラクターのドライブシャフトなどのグリスアップには、万能グリスを使うよう案内しています。ただし、取扱説明書に指定があるときは、指定のグリスを使います。
万能グリスとは、マルチパーパスグリスやシャーシグリスと呼ばれる、用途の広いグリスのことです。通販でも1本数百円から売られています。
どの番号や銘柄を選べばよいかは、クボタの取扱説明書の指定をもとにトラクターのグリスのおすすめと選び方で整理しています。
量の目安は、はっきりしています。クボタは、グリースニップルから補給して、古いグリースが押し出されたら補給完了としています。
その前に、古いグリスに泥や錆が混ざっていたら、パーツクリーナで落としておくようクボタは書いています。掃除してからグリスを入れる、という順番です。
押し出された余分なグリスは、ウエスできれいに拭き取ります。残しておくと、泥やほこりが付いてしまうからです。
一方、いくら押してもグリスが入らないこともあります。その場合、クボタはグリースニップルの点検や交換を考えるよう書いています。
なお、しゅう動部には、グリスを出して全体に塗り広げます。シャフトとスリーブがこすれる面に、薄く行き渡らせるイメージです。
また、クボタは、トラクタに付けるときにPTO軸やロータリ軸にもグリースを薄く塗るよう勧めています。軸の差し込み部分のサビや固着を防ぐひと手間です。
ただし、グリスの量について、何グラムといった数字はどの資料にもありませんでした。古いグリスが出てくるのを目で見て止めるのが、いちばん確かな目安です。
グリスの種類を混ぜたときや入れすぎたときの影響は、田植え機のグリスの選び方と入れすぎの注意もあわせてご確認ください。
ユニバーサルジョイントのグリスアップの手順と費用
後半では、クボタの手順に沿って、外し方と入れ方を見ていきます。そのうえで、付けるときの確かめ方と、頼んだときの費用を整理します。
始める前に|PTOを中立、エンジンを止め、間に立たない

まず、安全の準備です。ジョイントは回る部品なので、止め方を誤ると大きなけがにつながります。
クボタの解説は、事故防止のために必ず守ることとして、次の点を挙げています。
- ロータリの着脱は、PTOを中立にし、平坦な広い場所で行う
- トラクタのエンジンを止め、駐車ブレーキをかける
- 挟まれ防止のため、トラクタとロータリの間に立たない
- ヨーク(スパイダ)の部分には指を入れない
- ジョイントは重いので、安定した平らな所で作業する
また、クボタKLシリーズの取扱説明書も、作業機の着脱や調整、掃除の前には、作業機が完全に止まるまで待つよう書いています。
同じ取扱説明書は、トラクタから降りるときも、作業機が完全に止まるまで待つよう書いています。エンジンを止めたら、回る部分が止まるのを目で確かめてから近づきます。
さらに、PTO軸カバーは常に取り付けておき、PTOを使わないときはPTO軸キャップを付けておくよう求めています。
さらに、農林水産省の個別農業機械別留意事項も、作業機の着脱は平坦で十分な強さのある床で行うよう求めています。作業機の下や、作業機と本機の間には入らないこととしています。
加えて、指針は、作業機の巻きつきや詰まりを取り除くときも、エンジンを止めて作業部が止まったのを確かめるよう求めています。油圧で昇降部を上げているときは、落下防止の装置を固定します。
外してグリスを入れる手順|クボタの8つの手順
ここからは、クボタの解説に沿って手順を見ます。用意する道具は、グリースガン、グリース、プラスドライバー、作業用手袋、ウエスの5つです。
まず、トラクタからジョイントを外すときは、3点リンクの高さをいちばん下にします。そのうえで、安全カバーの回転止めチェーンを外します。
このとき、手や足の上にジョイントが落ちないよう、しっかり支えながら外すよう書かれています。ジョイントは見た目より重い部品です。
次に、ロックピンを押し込んだまま、トラクタ側のジョイントをつかんで引き抜きます。錆びてロックピンが押し込みにくいときは、市販の浸透剤を使うよう書かれていました。
そして、ジョイントホルダを持ち上げて、オートヒッチフレームから外します。ピンについているウレタンブッシュは小さな部品なので、なくさないよう注意します。
また、機種によっては、ウレタンブッシュを付ける向きが決まっていることがあります。外す前に向きを確かめ、付けるときはブッシュが付いているかも見ておきます。
外したら、ジョイントの端を持って引っ張り、2つに分けます。固定ピンはないので、そのまま引き抜けるそうです。
続いて、安全カバーを外します。固定ねじをプラスドライバーで外し、カバーを回して溝を合わせると外れます。カバーを外さずにグリスアップする場合は、この手順は飛ばしてかまいません。
さらに、白いプラスチックのスライドリングを外します。泥や錆、古いグリースが付いていたら、パーツクリーナで掃除します。
そのうえで、グリースニップルからグリスを補給し、古いグリスが出たら止めます。最後に、しゅう動部全体にグリスを塗り広げ、カバーを元どおりに付けます。
カバーを付けるときは、スライドリングを付けてからカバーをかぶせます。外すときに合わせた溝を、中のスライドリングが見える位置までずらし、固定ねじを締めます。
ちなみに、機種によって外し方は違います。先ほどのGF150の記録では、ロータリーを最も上げた位置にしないと、ジョイントを外す場所がなかったそうです。
なお、作業がむずかしいと感じたら、無理をしないことです。クボタの解説も、その場合はお取引のお店に頼むよう書いています。
付けるときは向き・長さ・チェーンを確かめる

グリスを入れたら、取り外しと逆の手順で付けます。クボタは、ジョイントホルダの側から先に付けるよう書いています。ここでは、確かめたいことが4つあります。
1つ目は向きです。クボタは、シャフトとスリーブには位置合わせが必要なので、確かめて差し込むよう書いています。
向きがずれると何が起きるかは、ジョイントメーカーの協和工業の説明が参考になります。誤った向きで組むと、振動や異音のもとになり、早く壊れることもあるとしています。
同じくジョイントを作る三好キカイも、向きについて説明しています。2つのジョイントを使うときは、入力側と出力側のヨークが左右対称で一直線上になるよう付けるとしています。
2つ目は長さです。ニプロの取扱説明書は、ジョイントを付けるときもPTOクラッチを切り、エンジンを必ず止めるよう書いています。
そのうえで、長さを確かめます。ジョイントをいっぱいに縮め、先端と入力軸の間に1cmほど隙間があればそのまま使えるとしています。
もし隙間がなければ、長い分を切って使うとしています。そもそも、トラクタの型式を伝えて注文すれば、長さの合ったジョイントが付いてくるそうです。
また、油圧を上下して、カバーのかみ合いが10cm以上あるかも確かめます。長すぎると軸を突いて壊し、短すぎるとかみ合いが足りずに壊れると書かれていました。
3つ目はロックピンと外れです。クボタKLシリーズの取扱説明書は、作業機を付けたら油圧で上下させるよう書いています。トラクタとの接触やジョイントの外れがないか、点検するためです。
4つ目はチェーンです。農林水産省の指針は、PTO伝動軸は適切な長さのものを使い、連結は確実に行うよう求めています。そのうえで、ピンの抜け止めと、防護カバーの回り止めチェーンを確実に固定することとしています。
なお、クボタは、チェーンをジョイントに巻き付けるようにすると、駆動時の破損を防げるとしています。けん引ヒッチが付いている場合は、ジョイントが当たらないよう外すよう取扱説明書に書かれています。
費用|JAなら0.3時間1,980円、ジョイント交換は3万円台から

最後に、費用です。自分でやる場合と、頼む場合、交換になった場合を並べると、次のとおりです。
| 内容 | 金額 | 出典 |
|---|---|---|
| グリース(1本) | 560円〜 | モノタロウ |
| 手動のグリースガン | 2,198円〜 | モノタロウ |
| ジョイント点検交換(工賃) | 0.3時間 1,980円 | JAハイナン |
| 十字のクロスベアリング | 4,400〜8,800円 | PTOジョイント専門店 |
| ジョイント本体(クボタ純正) | 37,510円・55,000円の例 | 農機部品通販 |
まず、自分でやる場合です。グリースは1本560円から、手動のグリースガンは2,198円からでした。道具をそろえても、3,000円ほどで始められる計算です。
一方、頼む場合はJAの料金表が目安になります。JAハイナン農機センターの料金表では、乗用トラクターのユニバーサルジョイント点検交換が0.3時間で1,980円でした。
同じ表で、各部のグリースアップは0.4時間で2,640円です。どちらも税込の工賃で、部品代は別です。出張を頼むと、一律1,650円が加わります。
なお、時間当たりの工賃はJAによって違います。表にない作業の1時間の工賃は、JAハイナンとJA伊勢で6,600円でした。
同じく、JA兵庫みらいでは7,700円、JAひがしみのとJA魚沼では8,800円です。
たとえば、グリースとグリースガンを一番安い品でそろえると、560円+2,198円で2,758円です(編集部計算)。JAに出張で各部のグリースアップを頼むと、2,640円+1,650円で4,290円の計算になります。
そして、壊れて交換になった場合です。十字のクロスベアリングだけなら、PTOジョイントの専門店で4,400〜8,800円でした。
専門店の価格は、ジョイントの型の大きさで違いました。M20型は4,400円、M30型とW40型は5,500円、M50型は7,700円、M90型は8,800円です。
ジョイントを丸ごと替えると、クボタ純正の例で37,510円と55,000円でした。専門店の本体も、普通のもので30,800円から、広角のもので50,600円からです。
ただし、純正のジョイントは作業機の仕様で合う品が違います。37,510円の品は、オートヒッチの仕様には合わないと書かれていました。注文するときは、型式を必ず伝えてください。
さらに、専門店では、その店のジョイント専用のカバーが13,200円で売られていました。純正のカバーが割れたときは、型式を伝えて購入先で取り寄せます。
なお、頼む場合も交換の場合も、見積もりでは工賃と部品代を分けて書いてもらいましょう。どこにお金がかかっているかが分かれば、自分でやる範囲も決めやすくなります。
ジョイント以外の修理費も比べておきたい方は、トラクターの修理費用の相場もあわせてご確認ください。
修理代がかさみ、直すか手放すか迷っている方は、動かないトラクターを手放す前の確認もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
グリスは、どれくらい入れればいいですか?
クボタは、グリースニップルから補給し、古いグリースが押し出されたら補給完了としています。押し出された余分なグリスは、ウエスで拭き取ります。しゅう動部には、グリスを全体に塗り広げます。
グリースニップルからグリスが入らないときは?
クボタは、グリースが補充されない場合はグリースニップルの点検や交換を考えるよう書いています。グリースガンの先が当たりにくい機種では、ジョイントを外してから入れた例もあります。自分で直せないときは、購入先に相談してください。
黄色い安全カバーは、外して使ってもいいですか?
農林水産省の指針は、着脱のときに外した安全カバーは必ず付けるよう求めています。防護カバーの回り止めチェーンも、確実に固定することとしています。クボタKLシリーズの取扱説明書も、PTO軸カバーは常に取り付けておくよう書いています。
自分でやるか、頼むか、どう決めればいいですか?
グリースガンとグリースは、合わせて3,000円ほどからそろいます。JAハイナンの料金表では、各部のグリースアップが0.4時間で2,640円でした。重いジョイントの脱着に不安があれば、点検のついでに頼むのが確実です。クボタの解説も、難しいと感じたら無理をせずお店に頼むよう書いています。
【まとめ】ユニバーサルジョイントのグリスアップは、この順番で
ここまで解説したとおり、ユニバーサルジョイントのグリスアップは、場所と時期を押さえれば難しい作業ではありません。最後に、手順を整理しておきます。
- PTOを中立にし、エンジンを止め、駐車ブレーキをかける
- 取扱説明書で、ニップルとしゅう動部の場所を確かめる
- 古いグリスが押し出されるまで入れ、余分を拭き取る
- 付けるときは、向き・長さ・ロックピン・チェーンを確かめる
- シーズン後は、スプラインとロックピンにも手入れする
この5つのうち、いちばん飛ばされやすいのが1番です。少しの作業だからと、エンジンをかけたまま近づくのは危険です。
そして4番は、付けたあとの故障を防ぐ分かれ目です。向きがずれると振動や異音のもとになり、長さが合わないと軸やジョイントを壊します。
費用の見通しも整理しておきます。JAハイナンの料金表では、ジョイント点検交換が1,980円、各部のグリースアップが2,640円でした。ジョイントを丸ごと替えると、3万円台から5万円台の例があります。
加えて、付けたあとは、PTOを入れる前にロータリーを上げ下げして確かめます。クボタKLシリーズの取扱説明書も、接触や外れがないかを点検するよう書いていました。
また、シーズンの終わりにはスプラインとロックピンにも手入れをします。使わない間のサビを防いでおけば、次の春に外せないといった手間も減らせます。
グリス1本と少しの手間で、数万円の交換を遠ざけられます。ロータリーを付ける日の朝に、ひと押しのグリスを習慣にしておきましょう。
なお、この記事の金額は2026年10月時点で公表されている内容をもとにした目安です。機種・年式・状態・地域・依頼先によって変わります。
グリスアップの場所や時期は、必ずお手元のトラクターと作業機の取扱説明書に従ってください。判断に迷うときは、メーカーの販売店やJAの農機センターにご相談ください。