※本ページはプロモーションが含まれています

JAハイナン農機センターの料金表では、ロータリー軸のシールとベアリングの交換は7時間で46,200円です。部品代を含まない、工賃だけの金額です。
一方、ベアリング本体は、NTNの汎用品なら1個824円で売られています。どちらも税込の価格です。
2026年10月時点で、編集部がJAやメーカーの公開資料を開いて確かめた結果です。
つまり、費用の大半は、ベアリングを取り出して組み直す手間にかかっているということです。
空回しすると「キィキィ」「ゴリゴリ」と鳴る。チェーンケースの下に油がにじんでいる。前輪を揺するとガタがある。
そんな方に向けて、トラクターのベアリング交換にかかる費用と、早めに気づくための見方を整理した記事です。
結論から言うと、費用は工賃が中心で、JAの表では2.6万〜4.6万円の例があります。放っておくと軸やケースまで傷み、部品代が大きく増えます。

この記事で分かることは、次の4つです。
- ベアリングのある場所と、傷む原因
- 異音・ガタ・熱で傷みに気づく見方
- JAの料金表にある工賃と、時間単価の差
- 部品代の目安と、長持ちさせるグリスアップ
どれもJAの料金表やメーカーの資料で確かめた内容です。金額には時点と税の扱いも添えています。
トラクターのベアリングは、どこが傷んで、どう気づくのか
前半では、ベアリングのある場所と、傷む仕組みを確かめます。そのうえで、音・ガタ・熱から異常に気づく見方を見ていきます。
ベアリングはどこにあるか|ロータリーの爪軸・前車軸・後車軸

まず、ベアリングとは、回る軸を支えて動きを滑らかにする部品です。軸受とも呼ばれ、中の玉やころが転がって軸を受けます。
トラクターでは、回る軸のあるところにたいてい入っています。料金表や取扱説明書から、名前が出てくる場所を拾うと3つあります。
1つ目は、ロータリーの爪軸です。爪のついた軸の両端をベアリングが支え、その外側をオイルシールがふさいでいます。
たとえば、クボタのロータリーRS121SPの修理記事があります。右側に6206、左側に6306という番号のベアリングが使われていました。
モノタロウの商品名によると、6206は内径30mm・外径62mm・幅16mmです。番号が分かれば、寸法のそろった品を探せるということです。
2つ目は前車軸です。クボタKLシリーズの取扱説明書は、グリースを入れる場所として「前車軸受(前)」「前車軸受(後)」を挙げています。
グリスを入れる口(グリスニップル)が折れたり、グリスが入らなくなったりしたときの替え方は、トラクターのグリスニップルのサイズ、M6とM8の見分け方もあわせてご確認ください。
3つ目は後車軸です。JAハイナンの料金表には、乗用トラクターの「後車軸シール・ベアリング分解整備」という作業が載っています。
このほか、ベルトをかけるプーリーにもベアリングが入っています。JICAの研修資料は、プーリーのベアリングの傷みは、ベルトの張り過ぎや注油不足で起こるとしています。
クローラの機械なら、転輪や遊輪にもあります。井関農機は、遊輪と転輪の点検を200時間ごととし、お買い上げ先での点検・交換を強く勧めています。
また、クラッチまわりにもベアリングがあります。ただし、本機を分ける大きな作業になるため、この記事では費用を断定せずに扱います。
部品の名前にも、どちら側かが入っています。たとえば、クボタ純正のロータリー用には「爪軸サポートケース側」のボールベアリングがあります。
なお、どこに何番のベアリングが入っているかは、機種によって違います。部品を頼むときは、型式と製造番号を控えておくと話が早く進みます。
傷む原因は水・泥・グリス切れ|シールが破れると中に入る
次に、ベアリングが傷む原因です。ベアリングメーカーのNTNは、正しく扱えば寿命まで長く使えるとしています。
そのうえで、予想より早く傷んだときは、潤滑などに何らかの不備があると説明しています。
具体的には、表面がはがれる損傷の原因として、潤滑不良・異物の侵入・さびを挙げています。さびや腐食の原因には、水分の侵入も入っていました。
また、さびの原因として、保管の状態が悪いことも挙げています。機械の置き場所も、ベアリングの傷みに関わるということです。
また、焼付きの原因には、潤滑剤の不足や合わない潤滑剤を挙げています。表面の小さなへこみは、固い異物が入り込むことで起きるそうです。
どれも、ベアリングの中の油やグリスが足りないか、外から何かが入ったときに起きる傷みです。
トラクターで水と泥の入り口になるのが、オイルシールです。シールが傷むと、外から水や泥が入り、奥のベアリングに届きます。
実際に、ヤンマーのロータリーRS1300の個人の修理記録では、ベアリングケースに水が入っていました。中のベアリングが固着して軸を削り、反対側のシールから油が漏れたそうです。
加えて、使い方も寿命に関わります。JICAの研修資料は、耕うん機の尾輪のベアリングについて、荷重をかけすぎると早く摩耗すると書いています。
気をつけたいのは、油の入っていない側のシールです。農家の発信するnoteの記事は、こちら側のシールが破れても目で見て気づきにくく、手遅れになりやすいと書いています。
油が漏れる側なら、にじみで気づけます。ところが、油の入っていない側は、泥が入っても外からはほとんど分かりません。
グリスにも大事な役目があります。ヤンマーのFAQは、グリスの働きとして、軸受けや摺動部の密封性を良くすることを挙げています。
さらに、水や塵ほこりの侵入を防ぐこと、摩擦を減らすことも挙げています。グリスが不足すると、摩耗や早期破損のおそれがあるという説明です。
屋外に置いていて、水が入りやすい保管が気になる方は、農機具の雨ざらしで傷む場所と5つの数字もあわせてご確認ください。
異音で見分ける|ゴリゴリ・ジャーは傷やごみの合図
傷んだベアリングは、まず音で知らせてくれることが多い部品です。NTNの機械の運転状態での点検は、澄んだ音であれば正常としています。
具体的には、聴音器を軸受の外側の箱に当て、音の大きさと音質を調べるという方法です。
そのうえで、音の種類と考えられる原因を表にしています。主なものを抜き出すと、次のとおりです。
| 聞こえる音 | 考えられる原因 |
|---|---|
| ザー・ジャー・ジー | ごみ、軌道面のきず |
| ゴリゴリ・コリコリ | 軌道面のきず、ごみ |
| ウーウー・ゴーゴー | 共振、はめあいの不良 |
| シャシャ | 保持器とシールの接触 |
軌道面とは、ベアリングの中で玉が転がる道のことです。そこにきずやごみがあると、ザラついた音になるわけです。
一方、チャラチャラ、カラカラという音は、玉を並べておく保持器の音とされています。澄んだ音であれば正常という扱いです。
また、NTNは振動の大きさや周波数を測れば、傷みの度合いを推定できるとしています。農家が自分で測るのは難しいので、ここでは音とガタを手がかりにします。
たとえば、クボタB1-17のロータリーの個人の修理記録では、空回しで「キィキィ」「キュキュ」と鳴っていました。右軸のベアリングを替えたあとは、好調だったそうです。
また、クラッチを切ったときだけ高い回転音がする例もあります。Yahoo!知恵袋では、回答者がクラッチのレリーズベアリングの音ではないかと答えていました。
その回答では、放っておくと、やがてクラッチが切れなくなるおそれにも触れていました。回答者の見立てではありますが、音の出方が変わったら早めに見てもらうのが無難です。
ただし、音だけで場所を決めつけるのは難しいものです。ベルトやチェーンの音とも紛らわしいので、気になったら購入先で見てもらうのが確実です。
キュルキュルという高い音がベルトのあたりから出ているなら、トラクターのベルト鳴きの見分け方もあわせてご確認ください。
ガタと熱で確かめる|止めて、下ろして、揺すってみる

音のほかに、ガタと熱も手がかりになります。ただし、確かめる前に安全の準備が要ります。
農林水産省の個別農業機械別留意事項は、点検は平らな場所で駐車ブレーキをかけ、エンジンを止めて行うよう求めています。動く部分が止まってから行うことも書かれています。
さらに、ジャッキアップは、エンジンを止め、平らで十分な強さのある床の上で行うとしています。作業機を上げて点検するときは、落ちないようにロックをかけます。
作業機の傾きや取り付けも見直したい方は、トラクターのモンロー調整のしかたもあわせてご確認ください。
また、点検のために外した安全カバーは、終わったら必ず元に戻すよう書かれています。
- 平らな場所に止め、駐車ブレーキをかける
- エンジンを止め、回る部分が止まるのを待つ
- 作業機は下ろすか、落ちないようロックする
- ジャッキは平らで丈夫な床の上でかける
そのうえで、ガタを見ます。JICAの研修資料は、ベルトを外してベアリングのガタつきを確かめる方法を挙げています。機体をジャッキアップして確かめる方法も載っています。
つまり、浮かせた車輪や軸を手で揺すり、カタカタと遊びがないかを見るという考え方です。引っかかりや、回したときのザラつきも手がかりになります。
なお、クボタの取扱説明書は、日常点検でエンジンをかけたとき、かかり具合と異音がないかを確かめるよう書いています。ふだんの音を覚えておくと、変化に気づきやすくなります。
熱も目安になります。NTNによると、運転中のベアリングは、室温より10〜40℃ほど高い温度で落ち着くのが普通です。
異常に熱くなる原因には、潤滑剤の不足や多すぎ、取付けの不良、荷重の大きすぎなどが挙げられています。運転の直後は軸まわりが熱いので、触るときはやけどに注意してください。
鹿児島県の日常点検の資料も、車庫から出るまでにハンドルのガタやブレーキのききを確かめるよう書いています。走り出す前の短い確認でも、異常は拾えます。
また、クボタの取扱説明書も、ステアリングジョイントにガタがあれば購入先に点検整備を頼むよう書いています。ガタは、自分で決めつけずに相談するのが基本です。
放っておくと軸まで削れる|1.4mmの隙間と、ケース28,710円

ベアリングの傷みを放っておくと、被害はベアリングだけで終わらないことがあります。
たとえば、すどう農園の修理記録では、グリスが切れて爪軸がすり減っていました。軸の太さは28.6mmで、内径30mmのベアリングとの間に1.4mmの隙間ができていたそうです。
また、Yahoo!知恵袋には、ロータリーの軸が2mmほどすり減った相談がありました。回答者たちは、当て物でごまかさず、メーカーの部品や加工で直すよう勧めていました。
さらに、ベアリングの玉が取れ、外側の輪とオイルシールだけが残っていた修理例もあります。使い続ければ、どのロータリもいつかこうなるという説明でした。
その修理記事では、チェーンケース側とベアリングケース側の両方を分解し、ベアリングとオイルシールを替えていました。液体ガスケットが乾いたあと、24時間以上たってからオイルを入れるとしています。
こうなると、部品代が大きく変わります。農機部品の通販サイトでは、クボタのロータリー用のベアリングケースが28,710円で売られていました。
加えて、爪軸の継手などの部品は、機種によって最大54,450円の値が付いていました。中には、販売終了の部品や、メーカーの在庫が残りわずかの部品もありました。
しかも、同じ通販サイトの部品には、機種や製造番号で適合が違うという注意書きがあります。注文を受けてからメーカーに手配し、通常2〜3営業日で発送するとも書かれていました。
工賃も増えます。JAハイナンの料金表では、サイドロータリの爪軸交換が3.3時間で21,780円でした。
先ほどのヤンマーのロータリーの例でも、シールは1個369円、ベアリングは1個499円の汎用品で直していました。ただし、削れた軸の修理は別に手当てが要ったそうです。
ですから、音やガタに気づいた段階で相談するのが、結果的にいちばん安く済む近道です。
トラクターのベアリング交換費用はいくらか
後半では、JAの料金表で工賃を確かめます。そのうえで、時間単価の違いと部品代、長持ちさせる手入れを見ていきます。
JAの料金表で見る工賃|ロータリー軸46,200円・後車軸26,400円

まず、工賃の実額です。JAハイナン農機センターの農機修理標準技術料金表には、30PSクラス以下の乗用トラクターの作業が並んでいます。
その中で、ベアリングに関わる行は2つありました。ロータリー軸のシール・ベアリング交換は、7時間で46,200円です。
もう1つは後車軸のシール・ベアリング分解整備で、ロータリー軸より3時間短い4時間で26,400円でした。どちらも税込で、部品代や加工代は含みません。
参考までに、同じ表には耕耘機の尾輪ベアリング交換もあり、1.5時間で9,900円でした。各部のグリースアップは、0.4時間で2,640円です。
なお、この表は30PSクラス以下の乗用トラクターの例です。馬力の大きな機械では、作業の時間や部品が変わることも考えられます。
また、表にない作業は、時間当たり6,600円で計算します。出張を頼むと一律1,650円、午後6時以降は30%の割増です。
仮に、ロータリー軸の作業に出張を頼み、両側のベアリングとシールを先ほどの純正品の値段で替えたとします。46,200円+1,650円+1,540円×2+4,180円×2で、59,290円の計算です(編集部計算)。
ただし、部品の番号や数は機種で違うので、あくまで考え方の例として見てください。
一方、シールの交換の料金を載せているJAもあります。JA兵庫みらいは、前輪とロータリーのオイル漏れ修理を33,000円以上としています。
JA魚沼は、前輪とロータリー爪軸のオイルシール交換を44,000円からとしています。ただし、どちらもベアリングの交換を含むかどうかは書かれていません。
なお、前輪のハブやクラッチのベアリングは、今回確かめたJAの料金表に行がありませんでした。この記事では、料金表で確かめられた範囲の金額だけを書いています。
前輪の車軸から油がにじんでいる方は、トラクターの前輪オイル漏れ修理の費用もあわせてご確認ください。
時間単価はJAで6,600〜8,800円|同じ7時間でも差が出る
次に、工賃のもとになる時間単価です。料金表に行がない作業は、かかった時間に単価を掛けて計算されます。
公開されている5つのJAの料金表を並べると、次のとおりです。
| JA | 1時間の工賃 | 出張料 |
|---|---|---|
| JAハイナン | 6,600円 | 1,650円 |
| JA伊勢 | 6,600円 | 2,200円 |
| JA兵庫みらい | 7,700円 | 2,200円 |
| JAひがしみの | 8,800円 | 3,300円 |
| JA魚沼 | 8,800円 | 2,200円 |
最も安い6,600円と高い8,800円では、1時間で2,200円の差があります。
しかも、JA伊勢の料金表は、作業員1人1時間当たりの金額としています。大きな部品を2人で外すような作業なら、その分かかる計算です。
たとえば、ロータリー軸と同じ7時間の作業を8,800円で計算すると、61,600円になります。6,600円なら46,200円なので、15,400円の差です(編集部計算)。
さらに、休日や時間外の割増もあります。JA伊勢の料金表では、休日と就業時間外の工賃は1時間8,250円でした。
また、JA魚沼の農機センターは、機械の引取や配達の料金も載せています。軽トラを使う場合で、片道2,200円です。
一方、定期点検の料金を公表しているJAもあります。JAハイナンの簡易点検整備は、30PS以下の乗用トラクターで1.5時間・9,900円です。30〜35PSは13,200円、35PS以上は16,500円で、どれも清掃や洗車は含みません。
同じように、JA伊勢の基本点検料は、20馬力以下のトラクタで16,500円です。21馬力以上は16,500〜27,500円でした。
JA兵庫みらいの点検整備料金は、20〜29馬力で38,500円です。点検に出すときに、音やガタが気になる場所を伝えておくと、見てもらう手がかりになります。
さらに、JAひがしみのの料金表は、電装や油圧などの特殊な技術は別途としています。JA兵庫みらいは、引取搬送を1回につき積車で5,500円、軽トラで2,200円としていました。
このように、同じ作業でも、どこに頼むか、いつ頼むかで金額は変わります。実際にかかる時間も機種や傷み具合で変わるので、見積もりで確かめてください。
部品代はベアリング1個千円前後|高くなるのはシール・ケース・軸

続いて、部品代です。ベアリングには規格の番号が付いていて、同じ番号の汎用品も売られています。
たとえば、モノタロウでは、NTNの6206LLUが824円、6306の開放形が923円でした。どちらも2026年10月5日時点の税込の価格です。
同じ6206LLUでも、すき間の等級がC3の品は879円でした。6306も、両側にゴムのシールが付いたLLUは1,099円と、形によって値段が少しずつ違います。
純正品も、1個あたりは大きな額ではありません。クボタのロータリー用の爪軸サポートケース側ボールベアリングは、農機部品の通販サイトで1,540円でした。
一方、一緒に替えることの多いオイルシールは、クボタ純正の爪軸用で4,180円の例がありました。
また、個人の修理記録では、ベアリングとオイルシール、オイルキャップの部品代が合わせて7,500円でした。ただし、作業は自分で9時間かけたそうです。
ただし、汎用品で直したヤンマーのロータリーの例では、部品の寸法を測り、取り寄せるまでに時間がかかったそうです。作業そのものは、正味1〜3時間ほどでした。
つまり、ベアリングとシールだけなら、部品は数千円の例が並びます。費用を押し上げるのは、工賃と、軸やケースまで傷んだときの部品です。
ベアリング以外の修理費も比べておきたい方は、トラクターの修理費用の相場もあわせてご確認ください。
グリスアップで長持ちさせる|50時間ごと、代かきの後は毎回

最後に、ベアリングを長持ちさせる手入れです。中心になるのは、グリスアップです。
クボタKLシリーズの取扱説明書は、グリースの注入を50時間ごとの点検・整備に入れています。グリースがにじみ出てくるまで、グリースガンで3〜4回入れるよう書いています。
さらに、代かきなどで泥水に入ったときは、1日の作業が終わったあと必ずグリースアップするよう書いています。ポンプは手動のハンドガン式を使い、高圧のエアー式は使わないとしています。
ちなみに、KLシリーズのパワクロ(半クローラ)仕様では、電子メータにグリスアップの時期を知らせる表示が出ます。グリスアップをしたら、表示の時間をゼロに戻すよう書かれています。
また、井関農機の点検整備ポイントでは、ロータリのグリース補給と注油を「作業前」としています。ギヤケースのオイル点検は、初期点検と100時間ごとです。クローラの機械では、揺動支点部のグリース注入も50時間ごとでした。
同じ表で、前輪のフロントアクスルのオイルは、点検が200時間ごと、交換が600時間ごとです。ロータリのギヤケースのオイル交換は、400時間ごととしています。
群馬農機商会によると、前車軸のケースの中にはギヤとベアリングが入っています。ケースのオイルの量と汚れを決まった時期に見ることも、ベアリングを守ることにつながります。
鹿児島県の日常点検の資料も、毎月の点検として、ロータリのチェーンケース付近の油漏れの点検を挙げています。ユニバーサルジョイントのグリスアップも、同じ欄にあります。
なお、ヤンマーのFAQは、グリスアップする場所の例として、トラクターのドライブシャフトを挙げています。
グリスの種類は、ヤンマーが万能グリスを案内しています。ただし、取扱説明書に指定があるときは、指定のグリスを使います。
クボタの取扱説明書が挙げる銘柄や、No.2という番号の意味は、トラクターのグリスのおすすめで整理しています。
もし自分で入れる時間がなければ、点検のついでに頼む手もあります。JAハイナンの料金表では、各部のグリースアップが0.4時間で2,640円でした。
一方で、修理がたび重なったり、ほかにも不調が出ていたりする場合は、直すか手放すかを比べる場面もあります。
修理代がかさみ、直すか手放すか迷っている方は、動かないトラクターを手放す前の確認もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
トラクターのベアリングは、自分で交換できますか?
個人の修理記録には、ロータリーの軸を外し、止め輪を外してベアリングを替えた例があります。ただし、止め輪を外す専用の工具が要り、ベアリングを直接たたかずに当て物を使うなど、注意点の多い作業です。自信がなければ、購入先やJAの農機センターに頼むのが確実です。
異音がしても、使い続けて大丈夫ですか?
農林水産省の指針は、使用前の点検で異常があれば、整備するまで使わないよう求めています。ベアリングの傷みを放っておき、軸がすり減ったり、ケースまで替えることになったりした例もあります。気づいた段階で購入先に相談してください。
市販の汎用ベアリングを使ってもいいですか?
個人の修理記録には、純正部品が手に入りにくく、寸法の合う汎用品で直した例があります。ただし、同じ番号でもシールの形やすき間の等級が違う品があります。型式を伝えて、購入先で合う部品を確かめるのが確実です。
修理代が高いとき、直すか手放すかはどう決めますか?
まず見積もりで、工賃と部品代、ほかに傷んでいる所を分けて書いてもらいます。そのうえで、機械の年式や使う頻度と比べて決めます。参考までに、JAハイナンの料金表では、ロータリー軸のシール・ベアリング交換が工賃だけで46,200円でした。
【まとめ】トラクターのベアリング交換費用は、この順番で確かめる
ここまで解説したとおり、ベアリングの交換費用は、部品より工賃が中心です。最後に、確かめる順番を整理しておきます。
- 音・ガタ・油のにじみで、傷みに早く気づく
- 確かめるときは、止めて、下ろして、安全を確保する
- 異常があれば使わずに、購入先やJAに相談する
- 見積もりは、工賃と部品代、替える範囲を分けて見る
- 50時間ごとと泥の日のあとに、グリスアップする
この5つのうち、いちばん後回しにされやすいのが3番です。「まだ動くから」と使い続けると、軸やケースまで傷めることがあります。
見積もりでは、ベアリングだけを替えるのか、シールや軸まで替えるのかを確かめてください。範囲が分かれば、金額の差にも納得しやすくなります。
そして4番は、費用を見通す分かれ目です。JAハイナンの料金表では、ロータリー軸が46,200円、後車軸が26,400円でした。どちらも工賃だけの金額です。
また、時間単価はJAによって6,600〜8,800円と幅があります。ベアリング本体は1個千円前後なので、差がつくのは手間の部分です。
加えて、JAハイナンの料金表は、定期点検を「シーズン中の故障をできるだけ少なくする」ための取り組みとしています。気になる音があれば、作業の時期の前に点検へ出しておくと安心です。
ベアリングは、グリスと早めの相談で長持ちさせられる部品です。泥の日のあとのグリスアップを、作業の締めくくりにしておきましょう。
なお、この記事の金額は2026年10月時点で公表されている内容をもとにした目安です。機種・年式・状態・地域・依頼先によって変わります。
点検や部品の交換は、必ずお手元の取扱説明書に従ってください。判断に迷うときは、メーカーの販売店やJAの農機センターにご相談ください。