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クボタの乗用田植機AW4とAW5の取扱説明書には、バッテリーが上がったときにリコイルでかける手順が載っていました。
2026年10月に、編集部がクボタの取扱説明書を開いて確かめた内容です。リコイルとは、ひもを引いてエンジンをかける仕組みのことです。
ただし、同じ取扱説明書は、バッテリーが上がったまま植えると植付性能に異常が出るおそれがあるとも書いています。エンジンがかかれば終わり、というわけではありません。
田植えの前日に、キーを回してもセルが回らない。去年の春から置いたままだった。何ボルトのどのバッテリーを買えばいいか分からない。
そんな方に向けて、田植え機のバッテリー上がりの対処と、交換するときの選び方をメーカーの資料から整理した記事です。
結論から言うと、まず状態を見て、充電かブースターでエンジンをかけます。2〜3年以上使っている場合や、充電してもすぐ上がる場合は、取扱説明書が指定する型式に交換します。

この記事で分かることは、次の4つです。
- バッテリーが上がったときの確かめ方と、エンジンのかけ方
- 充電で戻るか、交換かの見分け方
- 田植え機は何ボルトで、どの型式のバッテリーか
- 来年の春に上げないための保管と、補充電の間隔
どれもクボタ・ヤンマー・井関農機の資料と、通販の表示で確かめた内容です。金額には時点と税の扱いも添えています。
田植え機のバッテリー上がり、春にまず何をすればいい?
前半では、上がったときの確かめ方と、エンジンのかけ方を見ていきます。そのうえで、充電で戻るか交換かの分け方と、田植え機が上がりやすい理由を整理します。
まず状態を見る|インジケータの色とセルの回り方

まず、バッテリーの上面を見てください。クボタのAW4とAW5の取扱説明書では、上面にあるインジケータの色で充電の状態を確かめるよう書かれていました。
表示の見方は、緑が正常、黒が放電していて補充電、透明が液減りで交換です。インジケータは、真上からのぞいて確かめます。
なお、クボタのよくある質問でも、補水がいらないタイプはインジケータが透明か白なら交換と案内していました。色の意味は、バッテリーの種類で違うことがあります。
一方、液の量が側面から見えるタイプもあります。ヤンマーは、各仕切りの液が上限と下限の間にあるかを見るよう案内していました。下限より少ないときは、蒸留水を足します。
ただし、液が下限より少ないまま使ったり、充電したりするのは禁物です。クボタの取扱説明書は、寿命を縮めるばかりでなく、爆発の原因になることがあると警告していました。足すのは精製水で、井戸水や泥水は入れません。
あわせて、外側も見ておきます。ヤンマーは、外観に変形や破損がないか、ターミナルにサビがないかを確かめるよう案内していました。サビがあれば、ケーブルを外してワイヤブラシなどで落とします。
また、クボタの取扱説明書では、ふたの排気口にゴミが付いていれば掃除するよう書かれていました。ケーブルの傷みや、端子のゆるみも点検する項目です。
次に、セルの回り方です。同じ取扱説明書は、補充電が必要なサインとして、スタータの回転がいつもより弱いことを挙げていました。
ほかにも、アクセルの加減でヘッドライトの明るさが変わる場合や、バッテリー液の減りが早い場合も補充電のサインです。
また、キーを回し続けるのは避けます。AW4とAW5では、5秒たってもかからないときは、キーを戻して30秒ほど休むよう書かれていました。5秒以上回すと、故障の原因になるそうです。
なお、クボタの田植機のセルフメンテナンスは、バッテリーの消耗が始動性の低下につながると説明しています。自動化装置の不調の原因にもなるそうです。
ちなみに、電圧計で残りの量を測る方法は、トラクターのバッテリーの電圧の見方もあわせてご確認ください。
リコイルでかかる機種もある|ただし植付が狂うおそれ

では、セルが回らなければ、その日はあきらめるしかないのでしょうか。機種によっては、そうとは限りません。
クボタのAW4とAW5の取扱説明書は、セル始動できないときの方法を3つ挙げていました。リコイル始動、補充電、交換の3つです。この2機種には、エンジンをかけるためのリコイルハンドルが付いています。
ただし、どちらの機種も、ブレーキペダルをいっぱいまで踏み込まないとエンジンはかかりません。駐車ブレーキを掛けてから始動するよう書かれています。
一方で、同じ取扱説明書には大事な注意もありました。バッテリーが上がっていると、植付性能に異常が発生するおそれがあるそうです。
そのため、植える前にバッテリーを点検し、補充電が必要なら必ず充電するよう書かれていました。劣化したバッテリーのまま植えないことも求めています。
さらに、リコイルでかけたあと、十字ポンパレバーを動かしても植付部が動かないこともあります。そのように電気系統が正常にはたらかない場合は、バッテリーを交換するよう書かれていました。
ちなみに、寒い朝などでかかりにくいときは、チョークレバーを引きます。引くと燃料の混合気が濃くなり、エンジンがかかりやすくなる仕組みです。かかったら少しずつ戻し、約5分は負荷をかけずに暖機運転をするよう書かれていました。
また、施肥機付きの仕様では、弱ったバッテリーのままだと施肥ブロワの回転が不安定になるそうです。肥料をまく日は、前もって充電しておきます。
なお、リコイルが付いていない機種もあります。ディーゼルのNW6SとNW8Sの取扱説明書では、補充電か交換、またはブースターケーブルでかける手順でした。
井関農機の歩行型のPC25DとPC45Dは、もともと手元のリコイル式で始動する機種です。お手元の機種の始動のしかたは、クボタの取扱説明書検索のように、メーカーの公開資料でも確かめられます。
ブースターでかける|12V同士、黒は塗装のない金属へ

次に、ブースターケーブルでかける方法です。クボタのNW6SとNW8Sの取扱説明書は、補充電や交換がすぐにできないときの手順として載せていました。
まず、つなぐ相手のバッテリーは必ず12Vのものを使います。電圧が違うと故障の原因になると書かれていました。
手順は、最初に赤いケーブルを、田植え機と救援車のバッテリーの(+)端子にそれぞれつなぎます。次に、黒いケーブルを救援車のバッテリーの(-)端子につなぎます。
そして、黒の反対側は、田植え機のバッテリーではなく、塗装されていない金属部につなぎます。取扱説明書では、前輪や後輪の取付ボルトなどが例に挙げられていました。
救援するのが車なら、車のエンジン回転を上げてから田植え機を始動します。かかったら、ケーブルは付けたときと逆の順で外します。
なお、同じ取扱説明書は、ケーブルの扱いはブースターケーブルの取扱説明書に従うよう添えていました。充電ランプが点くなど、充電の異常があるときは購入先に連絡するよう書かれています。
実は、最後の1本をバッテリーから離すのには理由があります。農研機構のバッテリーの取扱いの資料は、バッテリーから水素ガスが出て、引火や爆発の原因になると説明しています。
同じ資料でも、4本目はバッテリーから離れたエンジン本体やフレームにつなぐよう書かれていました。端子が機械に触れないようにすることや、工具を置き忘れないことも注意点です。
なお、ケーブルをつなぐ順番の考え方は、トラクターのバッテリー上がりの対処もあわせてご確認ください。
充電で戻るか、交換か|2〜3年と、すぐ再発するかで分ける

エンジンがかかったら、次はバッテリーを充電で戻すか、交換するかを決めます。クボタのよくある質問は、交換の目安を5つ挙げていました。
具体的には、2〜3年以上使っている、ヘッドライトが暗い、始動に時間がかかるの3つです。さらに、液の減りが早いか減り方がそろっていない、ケースが膨れているの2つが加わります。
また、AW4とAW5の取扱説明書は、補充電しても短時間で再発するときや、状態が良くならないときは寿命だとしています。その場合は、交換を行うよう書かれていました。
なぜ充電で戻らなくなるのでしょうか。バッテリーメーカーのGSユアサは、充電不足のまま長く置くと、極板に硫酸鉛の硬い結晶ができると説明しています。
これはサルフェーションと呼ばれ、充電しても元に戻らなくなる状態です。一度この症状が見られたら、その後の長い使用は期待できないとされていました。
疑われる症状は、液の比重が異常に低い、充電中の電圧が低い、充電しても回復しないの3つです。長く充電不足のまま置いたり、液が減って極板が出たまま置いたりすると起こりやすいそうです。
一方、まだ使えそうなら充電です。クボタは、バッテリー容量の10分の1ほどの電流で、普通の充電をするよう案内していました。急速充電は、早期の故障や膨れの原因になるそうです。
そして、AW4とAW5の取扱説明書は、機体に付けたままの充電を避けるよう求めています。引火や爆発、機体の損傷のおそれがあるためです。
補充電は、平たんで風通しの良い場所で行います。補水キャップのあるタイプは、キャップを全部外してから充電し、裸火は近づけません。
つなぐ順番も決まっています。バッテリーの(+)を充電器の(+)に、(-)を充電器の(-)につないで、普通の充電方法で充電します。井関農機のトラクターの資料も、急速充電は寿命を短くするので、できるだけ避けるよう書いていました。
農研機構の資料も、充電中は液口栓を開けておき、室内で充電するときは換気するよう書いていました。水素ガスがこもらないようにするためです。
ちなみに、GSユアサの目安では、空の状態から満充電までは約12時間でした。放電の程度によって、5〜12時間ほどかかります。
充電にかかる時間の目安は、トラクターのバッテリーの充電時間もあわせてご確認ください。
なぜ田植え機は上がりやすいのか|1年の大半を置いたまま

そもそも、田植え機は使う時期が田植えの季節に限られる機械です。残りの月は、倉庫で置いておく時間がほとんどになります。
しかし、バッテリーは使わなくても電気が減っていきます。ヤンマーは、バッテリーは使わなくても自然放電すると説明していました。
つまり、去年の春に元気だったバッテリーでも、1年近く置けば中身は減っています。春に上がっていても、不思議ではないということです。
加えて、うっかりの原因もあります。NW6SとNW8Sの取扱説明書は、エンジンを止めたあとのキーの位置に注意を促していました。運転の位置のまま長く置くと、バッテリー上がりの原因になるそうです。
また、GSユアサは、自然放電を早める要因として、液の温度が高いことを挙げています。比重が高いことや、液に不純物が多いことも要因でした。
そのため、液を足すときは精製水を使います。精製水以外の水を入れると不純物が混ざり、自然放電が大きくなると説明されていました。
さらに、寒さも影響します。井関農機のトラクターの資料は、気温が下がるとバッテリーの性能も下がるとして、冬は特に管理に注意するよう書いていました。
そして、田植え機には電気で動く装置も付いています。クボタが自動化装置の不調を、AW4とAW5の取扱説明書が施肥ブロワへの影響を挙げていたのも、そのためです。
田植え機のバッテリー上がりを防ぐ保管と、交換するときの選び方
後半では、交換するときのバッテリーの型式と値段、交換の手順を見ていきます。どれも、取扱説明書の指定に合わせることが出発点です。最後に、来年の春に上げないための保管と補充電の間隔を比べました。
何ボルトで、どの型式か|34B19L・40B19L・55B24L

まず、電圧です。NW6SとNW8Sの取扱説明書はつなぐバッテリーを必ず12Vとしており、井関農機の諸元表も12Vでした。
次に型式です。メーカーの資料が指定するバッテリーを、機種ごとに並べました。
| メーカー | 機種 | エンジン | バッテリー |
|---|---|---|---|
| クボタ | AW4・AW5 | ガソリン | 34B19L または 40B19L |
| クボタ | NW6S・NW8S | ディーゼル | 55B24L(S) |
| ヤンマー | YR4J・YR5J・YR6J | ガソリン | 40B19L |
| ヤンマー | YR5DA〜YR8DA・YR06・YR08 | ディーゼル | 55B24L |
| 井関農機 | PR5・PR6・PR7 | 機種による | 12V・22Ahまたは36Ah |
今回確かめた範囲では、ガソリンの機種はB19、ディーゼルの機種はB24でした。たとえば、ヤンマーのYR4J・YR5J・YR6Jの主要諸元には、バッテリーの欄に40B19Lと書かれています。
一方、井関農機のPR5〜PR7の諸元は、型式の記号ではなく、電圧と容量で書かれていました。この場合は、取扱説明書の交換部品の欄や販売店で型式を確かめます。
ただし、クボタの取扱説明書は、電圧や容量が違うと故障の原因になると書いています。同じメーカーでも機種で違うので、必ずお手元の取扱説明書の指定に合わせてください。
型式の読み方も押さえておきます。電池工業会によると、先頭の40や55は性能のランクで、容量そのものではありません。クボタの純正バッテリーの説明でも、この数字が大きいほど性能が優れるとされていました。
そして、Bは短い側面の大きさの区分で、19や24は長さが約19cm、約24cmという意味です。最後のLは、端子の位置を表します。
具体的には、+端子がある短い面を手前にして、左側に端子があればL、右側ならRです。LとRを間違えると、ケーブルが届かないことがあります。
ちなみに、クボタの純正バッテリーは、外からの火花を中に通さない防爆フィルタを内蔵しているそうです。正常な状態なら、約2年は補水なしで使えるとも説明されていました。
なお、型式の数字や記号の読み方は、コンバインのバッテリーの型式と選び方もあわせてご確認ください。
農機用バッテリーの値段|40B19Lと55B24L
では、交換するバッテリーはいくらくらいなのでしょうか。楽天市場で、農機用と表示されている品の値段を調べました。
| 型式 | 商品 | 値段の例 |
|---|---|---|
| 40B19L | エナジーウィズ Tuflong AG 豊作くん(農業機械用) | 5,678円〜8,000円(送料無料) |
| 40B19L | 古河電池 FXシリーズ(農業・建設機械用) | 8,232円(送料無料) |
| 55B24L | エナジーウィズ AGA(農業機械用) | 13,800円〜15,890円(送料無料) |
| 55B24L | BROAD 農機・建機・車用 | 12,280円+送料1,000円 |
つまり、ガソリンの機種に多い40B19Lは1万円以内、ディーゼルの機種に多い55B24Lは1万円台前半から半ばが目安です。同じ型式でも、店によって2,000円以上の差がありました。送料が別の店もあるので、合計の金額で比べます。
交換の目安は2〜3年です。40B19Lの5,678円〜8,000円を2〜3年で割ると、1年あたり約1,900〜4,000円になります。これは編集部の単純計算で、実際の寿命は使い方や保管で変わります。
一方、JAに交換を頼む場合の工賃も見ておきます。JAハイナンの料金表では、バッテリーの交換と充電がそれぞれ0.3時間で1,980円でした。
これは多気筒ディーゼルエンジン(30馬力クラス以下)の欄の金額で、工賃だけの値段です。出張してもらう場合は、出張費の1,650円が加わります。
なお、エナジーウィズの型式一覧では、B19の容量は28Ah、B24は36Ahでした。井関農機の諸元にある22Ahと36Ahとも近い数字です。
- 取扱説明書が指定する型式(40B19L・55B24Lなど)
- 端子の位置(LかRか)
- 農機用か、乗用車用か
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Energywith エナジーウィズ Tuflong AG 豊作くん 農業機械用バッテリー 品番:AGA40B19L9B 価格:9128円 |
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【Tuflong】Energywith (エナジーウィズ)AGA 55B24L国産車カーバッテリー 農業機械用 Tuflong AG 豊作くん主な互換品番:46B24L、50B24L、55B24L 価格:13800円 |
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交換の手順|外すのは(-)から、付けるのは(+)から

交換の順番は、クボタとヤンマーで同じでした。外すときは(-)から、付けるときは(+)からです。
まず、キーを切ります。ヤンマーは、キースイッチを切ってからバッテリーを固定しているベルトなどを外すよう書いていました。
次に、AW4とAW5では、ゴムバンドを外してバッテリーの上部カバーをどけます。(+)側のゴムキャップを外してから、(-)端子、(+)端子の順でケーブルを外します。
そして、新しいバッテリーを置いて、(+)端子からつなぎ、最後に(-)端子をつなぎます。クボタは、順序を誤るとショートによる火花で引火や爆発のおそれがあると警告していました。
また、取付けの向きにも注意します。(+)と(-)を逆に付けると、ケーブルが傷んで火災の原因になるおそれがあるそうです。
さらに、ケーブルの端子は、バッテリーの端子に押さえ付けて、すき間を開けないようにします。ナットは端子のストッパが当たるまで締めますが、端子が変形するほど強くは締めません。
なお、外したバッテリーは、斜めにしたり横倒しにしたりして運びません。中の希硫酸がこぼれて、衣服が傷む原因になります。
また、クボタの取扱説明書は、バッテリーはエンジン始動用なので、ほかの用途に使わないよう書いていました。傾いて付いていると、転倒や液もれの原因になるそうです。
ちなみに、ヤンマーは、変形や損傷がある、液が少ない、ターミナルがサビているといった状態も交換の目安に挙げています。そのまま使うと、液もれやエンジンがかからない不具合、端子部の発熱につながるおそれがあるそうです。
付け直したら、ケーブルが周りの部品に触れていないかも見ておきます。井関農機のトラクターの資料も、元どおりに配線し、周りに接触しないよう締め付けるよう書いていました。
ヤンマーも、交換のしかたは型式によって違うとして、取扱説明書を見るよう添えていました。固定のしかたやカバーの外し方は、機種ごとに確かめてください。
交換の費用をお店と自分で比べるなら、トラクターのバッテリー交換の費用もあわせてご確認ください。
保管と補充電の間隔|資料で1か月から6か月まで違う
最後に、来年の春に上げないための保管です。実は、補充電の間隔は、資料によって大きく違っていました。
| 資料 | 補充電の間隔 |
|---|---|
| ヤンマー(田植機の点検・お手入れ) | 1か月に1度は完全充電 |
| クボタ(AW4・AW5、NW6S・NW8Sの取扱説明書) | 夏は1か月、冬は2か月に1回点検し、必要なら補充電 |
| 井関農機(乗用田植機のセルフチェック) | 夏期は1か月ごと、冬期は2か月ごと |
| GSユアサ(バッテリーメーカー) | 夏季は3か月、冬季は6か月に1度(カルシウムタイプ) |
| クボタ純正バッテリ | 初充電後、常温で約15か月は補充電不要 |
なお、GSユアサの夏季は5〜9月、冬季は10〜4月を指していました。補水に精製水を使わないと不純物が混ざり、自己放電が大きくなるとも説明されています。
このように、田植え機のメーカーは1〜2か月ごと、バッテリーメーカーは3〜6か月ごとでした。クボタの純正バッテリーは、自己放電が少ないため約15か月は補充電がいらないとしています。
どれが正しいというより、資料の立場と、バッテリーの種類が違うと考えるのが自然です。迷ったら、お手元の取扱説明書の間隔に合わせるのが確実です。
次に、保管のしかたです。クボタの取扱説明書は、長く使わないときは、できるだけバッテリーを機体から外すよう書いていました。
外したら、保管の前に点検し、必要なら補充電します。補水するタイプは、補水してから補充電を行います。
保管場所は、直射日光が当たらず、温度の変化が少ない乾いた場所です。雨露が少なく、水につかるおそれがない場所も条件に挙げられていました。
ちなみに、井関農機のトラクターの資料は、アースを外したらその旨をメモして機械に貼っておくと便利だと書いていました。春に「なぜかからない」と慌てずに済みます。
もし機体に付けたまま保管するなら、(-)側のケーブルを必ず外します。ヤンマーの田植機の点検・お手入れも、外して一度充電してから保管するよう勧めていました。
一方、井関農機の乗用田植機の資料は、シーズン前にバッテリーを点検するよう書いていました。補水キャップの排気口にゴミが付いていると、中の圧力が上がって破損するおそれがあるそうです。
また、GSユアサは、充電しても戻らなくなるサルフェーションの予防として、定期的な点検と補充電を挙げていました。保管中の補充電は、来年の春のための準備というわけです。
保管中の補充電に使う充電器の選び方は、農機具のバッテリー充電器の選び方もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
田植え機のバッテリーは何ボルトですか?
今回確かめたクボタと井関農機の資料では12Vでした。型式は機種で違い、クボタのAW4・AW5は34B19Lか40B19L、NW6S・NW8Sは55B24Lです。交換するときは、お手元の取扱説明書の指定に合わせてください。
車からブースターケーブルでつないでもいいですか?
クボタのNW6S・NW8Sの取扱説明書は、救援車のバッテリーからブースターケーブルでかける手順を載せています。つなぐバッテリーは必ず12Vです。最後の黒は、田植え機の塗装されていない金属部につなぎます。
バッテリーを付けたまま保管してもいいですか?
クボタの取扱説明書は、できるだけ外して保管するよう書いています。付けたままにする場合は、(-)側のケーブルを必ず外します。外していても自然放電するので、取扱説明書の間隔で点検と補充電をしてください。
リコイルでかかれば、そのまま植えてもいいですか?
クボタのAW4・AW5の取扱説明書は、バッテリーが上がっていると植付性能に異常が出るおそれがあるとしています。植える前に点検し、必要なら充電してください。植付部が動かないなど電気系統がおかしいときは、交換が必要です。
【まとめ】田植え機のバッテリー上がりは、取説の型式と間隔で防ぐ
ここまで解説したとおり、田植え機のバッテリー上がりは、状態の確かめ方と取扱説明書の指定がわかれば慌てずに済みます。最後に、押さえる点を整理しておきます。
- インジケータの色とセルの回り方で、まず状態を見る
- リコイルでかかる機種もあるが、上がったまま植えない
- ブースターは12V同士で、最後の黒は塗装のない金属部へ
- 2〜3年以上や、充電してもすぐ上がるなら、指定の型式に交換
- 保管は外して補充電し、取扱説明書の間隔で点検する
この5つのうち、見落としやすいのは最後の保管です。上がるのは、故障よりも置き方が原因であることが多いと考えておきましょう。
また、リコイルが付いている機種でも、植える前の充電は欠かせません。クボタのAW4とAW5の取扱説明書が、上がったまま植えないよう求めていたことを思い出してください。
そして、交換するときは型式と端子の位置をそろえます。費用の目安は、40B19Lで1万円以内、55B24Lで1万円台でした。
まずは、お手元の取扱説明書のバッテリーの欄を開いて、型式と補充電の間隔を書き留めるところから始めましょう。
なお、この記事の金額は2026年10月時点で公表されている内容をもとにした目安です。店や時期によって変わります。
バッテリーの型式や扱い方は、必ずお手元の田植え機の取扱説明書に従ってください。判断に迷うときは、メーカーの販売店やJAの農機センターにご相談ください。