修理・維持費

田植え機のマーカーは3つで1組、線だけでは真っすぐ植わらない

田んぼに置かれた田植え機と横に伸びるマーカーのイメージ
AI生成のイメージ画像です。実際の機種・部品とは異なる場合があります。

※本ページはプロモーションが含まれています

クボタの4条田植機の取扱説明書には、マーカーが3つ出てきます。回転式ラインマーカ、隣接マーカ、そしてマスコットです。

2026年9月時点で、編集部が110ページの取扱説明書を開いて数えた結果です。

 

つまり線を引く部品は3つのうち1つだけです。ですから「マーカーが出ているのに曲がる」という悩みは、残りの2つの使い方で変わってきます。

去年より曲がった気がする。線は引けているのに、隣の条との間隔が広がったり詰まったりする。

そんな場面で、どこを見て何を合わせればいいのかを知っておきたい方に向けた記事です。

結論から言うと、見るのは線ではありません。線とマスコットを重ねること、そして線が消えたら隣接マーカに切り替えることです。

回転式ラインマーカ・マスコット・隣接マーカの3つの役割を並べた図

この記事で分かることは、次の4つです。

  • 3つのマーカーが、それぞれ何をする部品なのか
  • 旋回のときに、どこを見て機械を合わせるか
  • 間隔がずれるときに調整できる3か所
  • 部品を換えるといくらか、移動の前に何を収納するか

どれもメーカーの取扱説明書と製品ページ、JAの公開料金表で確かめた内容です。金額には確認した時点を添えています。

なお、ここで取り上げるのはクボタの4条機の取扱説明書です。機種や型式によって、名称も装備も変わります。

 

田植え機のマーカーは、何が3つあるのか?

前半では、線を引く部品、線をなぞる目印、線が消えたときの代わり、操作のしかた、自動で出る機種の順に見ていきます。

線を引くのは「回転式ラインマーカ」だけ

回転式ラインマーカが次の行程のための線を田面に引くことを示した図

まず、線を引く部品から見ていきます。クボタの田植機の取扱説明書は、回転式ラインマーカをこう説明しています。

「次行程を植付けるとき,適正な隣接条間を保つための目標となる線をほ場面に引きます。」

 

大事なのは「次行程のため」という一言です。いま走っている列のために引いているのではありません。

そのため、線は自分の進行方向の横に引かれます。折り返して戻ってきたときに、その線の上を通ることになります。

つまりマーカーは、未来の自分に向けた合図です。いま曲がっているかどうかを教えてくれる道具ではありません。

だからこそ、線の出来はその場では評価できません。折り返して初めて、うまく引けていたかが分かります。

ギア
ギア
ここを取り違えると、線を見ながら走ってしまいます。線は「次の列の目印」です。

そして、引く側は自分で選びます。取扱説明書には「[左]ラインマーカが左側に倒れます。[右]ラインマーカが右側に倒れます」とあります。

次に植える側へ倒す、というのが基本です。折り返しのたびに、倒す向きを入れ替えていくことになります。

ここで向きを間違えると、すでに植えた側に線が引かれます。次の行程で頼れる線がないまま走ることになります。

なお、戻すのは自動です。「植付部を上昇させると回転式ラインマーカは自動的に収納されます」と書かれています。

ですから旋回のときに、わざわざ手で戻す必要はありません。植付部を上げれば、マーカーも一緒に上がります。

逆に言えば、戻りが渋いときは植付部の昇降とつながっている部分を疑います。マーカーだけを見ていても、原因にたどり着かないことがあります。

そして、線の深さは田んぼの状態で変わります。水が多ければ消えやすく、少なければ残りやすくなります。

代かきの仕上がりでも変わります。表面が荒いと線が崩れ、平らだと細い線でも残ります。

もちろん、線が残ればよいというわけでもありません。水が少なすぎる田植えには、別の問題が出てきます。

マスコットは、線をなぞるための目印

マスコットとマーカー跡の線を重ねて機械を真っすぐにする方法を示した図

次が、この記事でいちばん伝えたい部品です。マスコットは、機体の前に立っている細い棒のことです。

取扱説明書の説明は、こうです。「マスコットは,ラインマーカで引かれた線上を直進していくための目印となるものです。」

 

つまり、線とマスコットは一組で使います。線だけ見ていても、機械が線の上にいるかどうかは分かりません。

実際の手順も書かれています。「旋回するときにマスコットを目印にして,マーカ跡の線とマスコットの位置を合わせながら機械をまっすぐにします。」

ここで「合わせながら」とあるのがポイントです。旋回を終えてから合わせるのではなく、旋回しながら重ねていきます。

そして、直してから入るのでは間に合いません。曲がったまま植え始めると、その列は最後までずれたままになります。

つまり運転席から遠い一点を見るほうが、線はぶれにくくなります。手元ではなく前を見る、ということです。

マスコットが機体の前に立っているのも、そのためです。近すぎる目印では、ずれに気づいたときには遅くなります。

車の運転で、遠くを見るほど進路が安定するのと同じ理屈です。目線の置き方そのものが道具になっています。

そして、マスコットは収納できる部品です。「移動走行時や納屋などに格納するときは,下側に倒して収納状態にしてください」とあります。

逆に言えば、作業前には起こしておく必要があります。取扱説明書の「田植作業前の準備」にも、隣接マーカとマスコットをセットする項目が並んでいます。

倒したままシーズンに入ると、目印がないまま走ることになります。曲がる原因が機械側ではなく、準備の抜けだったという場合もあります。

実は、収納の指示は安全の章にも出てきます。ですから「使わないときは倒しておく」が正しい扱いです。

そのため、シーズン初日の点検では起こす作業が要ります。格納前に倒したまま、翌年そのまま出してくることになるからです。

機械そのものの不調が疑われるときは、田植え機の植え付け部が動かないときの修理費の目安もあわせてご確認ください。

隣接マーカは、線が見えないときの代わり

隣接マーカを隣の条の苗の真上に合わせて条間を保つ方法を示した図

3つめが隣接マーカです。これは線ではなく、植わった苗を基準にする部品です。

取扱説明書は、使う場面をはっきり書いています。「あぜぎわの植付けを行なう場合やラインマーカで引かれた線が見えにくいとき」です。

 

合わせ方も具体的です。「次行程の植始めに隣接条の苗の真上にマーカを合わせて植付けると適正な隣接条間が保てます。」

旋回のところにも、同じ指示が出てきます。「マーカ跡の線が見えにくいときは,隣接マーカが植終わった隣の苗(隣接苗)の上になる位置に合わせてください。」

つまり線が消えても、植わった苗は残ります。基準を線から苗に切り替える、というのが隣接マーカの役割です。

 

  • 回転式ラインマーカ=次の行程のための線を引く
  • マスコット=その線をなぞるための目印
  • 隣接マーカ=線が見えないときに、隣の苗へ合わせる
  • あぜぎわの植付けでは、はじめから隣接マーカを使う
  • 3つとも作業前にセットが要る

あぜぎわで線が引けないのは、機械の外側にあぜがあるからです。そのため、あぜ側には線の引きようがありません。

そこで隣の苗を基準にします。線が引けない場所でも、間隔だけは保てるという仕組みです。

ちなみに、あぜぎわは最後にまとめて植える場面が多いところです。そのため隣接マーカの出番は、作業の終盤に集中します。

水が濁っていたり、風で水面が揺れたりすると線は見えにくくなります。ですから隣接マーカは、条件の悪い日ほど出番が増えます。

さらに、同じ田んぼでも場所によって見え方が違います。日の向きが変わるだけで、線のコントラストは落ちます。

そこで、線と苗の両方を基準にできる状態にしておきます。片方が使えない場面でも、作業を止めずに済みます。

シーズン前の点検をまとめて済ませたい方は、田植え機のグリスアップと毎日の注油の違いもあわせてご確認ください。

出し入れは植付クラッチレバー|上げれば自動で収納される

操作は、専用のスイッチではありません。クボタの4条機では、植付クラッチレバーが兼ねています。

取扱説明書の説明は「植付部の上昇・下降,動力伝達の入・切,ラインマーカのセットを操作するレバーです」です。

 

1本のレバーが3つの役目を持っている、ということになります。だから操作の順番が決まっています。

慣れるまでは、どの位置が何に効くのかが分かりにくいところです。まず表にして手元に置いておくと迷いません。

作業中の手順も書かれています。「植付クラッチレバーを[植付]位置にしたあと,次に植える条側へ[右]又は[左]」という並びです。

そして、下ろす順番にも指示があります。「植付部が接地したことを確認したあと,ラインマーカを次行程植付側にセットします。」

コストン
コストン
接地の確認が先です。浮いたまま駆動すると、植付爪から苗が落ちると書かれています。

 

植付クラッチレバーの位置と動作(クボタ 乗用田植機EP4の取扱説明書より/🟡機種で異なる)
レバー位置 起きること
[左] ラインマーカが左側に倒れます
[右] ラインマーカが右側に倒れます
[上] 植付部の駆動が停止し、上昇します
[N](中立) 中立。最上昇すると自動的にここへ戻ります

準備の段階では、フックから外す作業があります。「ラインマーカのセット マーカをフックから外して作業状態にします」という一行です。

つまり格納時はフックで留まっています。シーズン初日に「マーカーが出ない」と感じたら、まずフックを疑うほうが早く終わります。

加えて、上げたときの収納は自動です。手で押し戻す部品ではないので、戻りが渋いなら動きのほうを点検します。

なお、レバーには安全にかかわる注意も添えられています。エンジンを切った状態やブレーキをロックした状態では、中立位置から動かさないという指示です。

というのも、[上]の位置でも植付部が下降すると書かれているからです。つまり止めているつもりで下がることがあります。

自動で出る機種もある|旋回と連動して動く

機種によっては、倒す操作そのものが要りません。近年の機械には、旋回と連動する仕組みが入っています。

クボタのASWELは、操作サポートのページでスーパーゆう優ターンを説明しています。

 

「旋回時、ハンドル操作に合わせて植付部が自動昇降。さらに、植付クラッチの「入」「切」、回転マーカの出し入れも自動で行います。」

同じページには、ポンパレバーの説明もあります。「植付部の昇降、植付クラッチの入・切、マーカの出・入が、レバー1本で操作できます。」

ヤンマーの田植機YR10の操作性のページにも同じ系統の機能があります。「旋回後、植付部が下がると自動的に線引きマーカーが出ます」という説明です。

加えて、ヤンマーは電動マーカーを挙げています。「マーカーの左右入替えや、両出しもワンタッチでできる電動マーカーを装備」とあります。

ここで押さえておきたいのが、自動で出る機種は疑う場所が変わることです。ワイヤーではなく、電気の側になります。

たとえばスイッチやセンサー、配線の断線が候補に入ります。手で操作する機種とは、点検の入口が違います。

ただし、自動でも向きの判断は機械任せです。変形田では、自動を切って手で操作したほうが合う場面があります。

クボタも同じ趣旨を書いています。「変形田では自動植付を「上昇」に設定しておけば、上昇のみ自動、下降はポンパレバーで行える」という説明です。

そうすると、植え始めを任意の位置から始められるとされています。自動を全部切るのではなく、半分だけ自動にする使い方です。

エンジンまわりの不調で作業が止まったときは、田植え機のエンジンがかからないときの見どころもあわせてご確認ください。

ずれるとき、壊れたとき、動かす前

後半では、間隔がずれるときの調整、変形田での使い方、部品を換えるときの費用、そして移動前の収納を見ていきます。

間隔がずれる前に見るのは、隣接マーカの3か所

隣接マーカの前後の角度・上下の高さ・作動力の3つの調整箇所を示した図

隣の条との間隔が合わないとき、調整できる場所が書かれています。取扱説明書の旋回の項に出てきます。

「隣接マーカは必要に応じて前後方向の角度及び上下方向の高さを調整してください。また,隣接マーカの作動力を調整ナットの締付け具合で調整してください。」

 

整理すると3か所です。前後の角度、上下の高さ、そして作動力の3つになります。

 

隣接マーカで調整できる3か所(クボタ 乗用田植機EP4の取扱説明書より/🟡機種で異なる)
調整する場所 取扱説明書の記載
前後方向 角度を調整する
上下方向 高さを調整する
作動力 調整ナットの締付け具合で調整する

作動力というのは、マーカーが動くときの重さのことです。締めすぎれば渋くなり、ゆるめれば軽く振られます。

軽すぎると苗に押されて逃げ、重すぎると苗を倒します。どちらも隣の条の位置が読みにくくなります。

そのため、締付け具合は使う田んぼに合わせます。柔らかい田んぼと硬い田んぼでは、ちょうどよい重さが変わります。

ここで気をつけたいのは、一度に3か所を動かさないことです。どれが効いたのか分からなくなります。

ですから1か所ずつ変えて、1往復ごとに結果を見ます。時間はかかりますが、戻すときにも迷いません。

もちろん、調整の前に見ておくことがあります。曲がった、外れた、ゆるんだという状態なら、まず元の形に戻すほうが先です。

石や切り株に当たれば、部品は簡単に曲がります。形が変わったまま数値だけ合わせても、翌日にはまたずれます。

なお、隣接マーカは作業中に苗へ触れる部品です。ですから、シーズン中に少しずつ位置が変わっていくことがあります。

そして、間隔のずれは隣接マーカだけが原因とは限りません。車輪の沈み方や旋回の癖でも、条間は動きます。

たとえば柔らかい田んぼでは、旋回のあとに機体が流れます。その分だけ、植え始めの位置がずれていきます。

とはいえ、調整できる場所が取扱説明書に書かれているのはこの3か所です。まずここから当たるのが順当な進め方になります。

変形田では、先に「目安線」を引く

四角くない田んぼでは、使い方の順番そのものが変わります。取扱説明書には、変形田の手順が別に用意されています。

最初の一行が「あぜにそってマーカ線を引きます。(目安線)」です。植える前に、線だけを引く行程があります。

 

続いて「左,右共ラインマーカをセットして長辺部を植付けます」とあります。両側に線を引きながら、長い辺から植えていく形です。

つまり変形田では、マーカーを「基準をつくる道具」として先に使います。いきなり植え始めない、というのが要点です。

四角い田んぼなら、あぜそのものが基準になります。ところが形が崩れると、あぜと平行に植えても列が揃いません。

そして、残った部分はあとから埋めます。枕地を残しておいて、最後に出入口から出る順番が示されています。

この考え方は、線が引けない場所が多い田んぼほど効いてきます。先に基準を作っておけば、あとの列が揃いやすくなります。

もちろん、田んぼの形はどれも違います。ですから取扱説明書も「変形田を植付けるときの参考例です」と断っています。

加えて、自動旋回の機種は設定を変えられます。先ほどのクボタの説明にあったとおり、上昇だけ自動にして下降を手で行う設定です。

変形田の手順は、枕地の取り方から始まります。取扱説明書の参考例では、3辺に1往復分の枕地を残して長辺から植えていきます。

そして残った枕地は、あとから順に埋めます。最後にあぜにそって1周し、出入口から出る流れです。

出入口から出る、というところまで手順に入っています。植え終わった田んぼを踏まずに出るための順番です。

つまり目安線は、この段取り全体の基準になります。線を引く行程を惜しむと、あとの列がすべてずれていきます。

マーカーが出ない・戻らないとき|部品代と工賃

マーカーケーブルの部品代とJAのワイヤー交換工賃を比べた図

次はお金の話です。マーカーが動かないとき、どこにいくらかかるのかを見ておきます。

まず部品です。クボタ純正の田植機用マーカーケーブルは、通販サイトで6,710円(税込)と表示されていました。

 

品番はPJ701-83230とPJ701-83233で、SPJ500用とされています。機種ごとに適合が違うので、注文の前に確認が要ります(🟡2026年9月時点の表示価格)。

次に工賃です。JAハイナン農機センターの料金表には、ワイヤー交換(1本)が1時間6,600円と出ています。

参考までに、同じ料金表の簡易点検整備は乗用4条で4時間26,400円です。マーカーだけを見てもらうのか、点検ごと頼むのかで金額は変わります。

 

マーカー周りにかかるお金の目安(🟡機種・地域・依頼先で変わります/あくまで目安)
項目 金額 出典
マーカーケーブル(部品) 6,710円(税込) 通販サイトの表示価格
ワイヤー交換(1本) 1時間 6,600円(工賃のみ) JAハイナン農機センター
簡易点検整備 乗用4条 4時間 26,400円 JAハイナン農機センター

部品代と工賃を足すと、13,000円前後という計算になります。ただし、原因がケーブルとは限りません。

ここで注意したいのは、部品代と工賃を別で数えることです。料金表に出ているのは工賃のみの金額になります。

そのうえ、持ち込むか来てもらうかでも変わります。出張を頼めば出張料が、自走できなければ運搬費が乗ります。

ここで正直に書いておきます。マーカーが出ない原因の内訳は、メーカーの公式資料に見当たりませんでした。

ですので、この記事では原因を断定しません。個人の整備記録はありますが、機種も状況もそろっていないからです。

実際に、ヤンマーの「田植機のシーズン中のトラブル対応」に並ぶ項目にも、マーカーは入っていません。欠株や苗のせ台、肥料詰まりなどが中心です。

ですから、原因の切り分けは現物を見てもらうほうが確実です。自動で出る機種なら、ワイヤーではなく電気側の可能性もあります。

もちろん、直す前に考える選択肢もあります。年式が古く、ほかにも不調が出ているなら手放す判断もあり得ます。

直すか手放すかで迷っている方は、動かない農機を手放す前に数える5つの数字も参考になります。

費用の見方そのものについては、JAの公開料金表で比べた修理費用の相場もあわせてご確認ください。

移動の前は必ず収納する|安全の章に書かれている

農道やほ場の移動の前にマーカー類を収納してロックする手順を示した図

最後は安全の話です。マーカーの収納は、便利機能ではなく安全の指示として書かれています。

取扱説明書の「安全に作業するために 必ず読んでください」の章に、次の一行があります。

 

「隣接マーカ・あぜごえアーム・(マスコット)・ラインマーカを収納状態にしたあと」。そう書き出したうえで「ラインマーカをロックし,苗のせ台を機体中央で止めるようにしてください」と続きます。

この一行は、2か所に出てきます。走行時の注意と、農道やほ場を移動するときの注意の両方です。

 

移動の前に収納するもの(取扱説明書の安全の章より)
隣接マーカを収納する
あぜごえアームを収納する
マスコットを倒して収納する
ラインマーカを収納し、ロックする
苗のせ台を機体の中央で止める

トラックに積むときは、さらに項目が増えます。取扱説明書は、苗と苗すくい板をすべて降ろすところから始めています。

そのうえで「ラインマーカ・隣接マーカ・マスコット・あぜごえアームを収納し」と指示されています。さらに「苗のせ台を機械の中央位置に移動したあと,最上昇位置に戻して油圧ロックして下降防止を行ないます」と続きます。

ギア
ギア
ロックまでが1つの作業です。収納しただけでは、振動で出てくることがあります。

横に張り出した部品は、人や物に当たります。ですから収納は、機械を守るためではなく周りを守るための手順です。

加えて、張り出したままではあぜや電柱に接触します。破損すれば、そのまま部品代と工賃に変わります。

そして、田植え機はそもそも公道を自走できません。移動はトラックに載せる前提になるので、収納は毎回必要になります。

つまり収納は、シーズン終わりだけの作業ではありません。田んぼを移るたびに発生する手順ということです。

だからこそ、手順を決めておくと早く終わります。倒す、ロックする、苗のせ台を中央に、の3つを毎回同じ順番で行います。

そして、順番を決めておけば抜けにも気づけます。ロックを忘れたまま走り出す、という事態を防げます。

長く置いたままの機械をどうするかで迷っている方は、農機具を雨ざらしにしたときの判断材料もあわせてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

マーカーの線が引けているのに曲がります。どこを直せばいいですか?
使い方
線だけを見ている可能性があります。クボタの取扱説明書は「旋回するときにマスコットを目印にして,マーカ跡の線とマスコットの位置を合わせながら機械をまっすぐにします」としています。マスコットが倒れたまま収納状態になっていないか、まず確かめてください。線とマスコットを重ねるのが前提の操作なので、目印がないと基準そのものがなくなります。機種によって装備が異なりますので、お手元の取扱説明書もご確認ください。
隣接マーカは、いつ使うものですか?
使い方
取扱説明書は使う場面を2つ挙げています。「あぜぎわの植付けを行なう場合」と「ラインマーカで引かれた線が見えにくいとき」です。合わせ方は「次行程の植始めに隣接条の苗の真上にマーカを合わせて植付けると適正な隣接条間が保てます」とされています。線ではなく植わった苗を基準にするので、水が濁って線が消えた日でも間隔を保てます。
旋回のたびにマーカーを手で戻す必要はありますか?
操作
クボタの取扱説明書には「植付部を上昇させると回転式ラインマーカは自動的に収納されます」とあります。植付部を上げれば一緒に戻る仕組みです。さらに旋回と連動する機種もあり、クボタのスーパーゆう優ターンは「回転マーカの出し入れも自動で行います」、ヤンマーのオートマーカーは「旋回後、植付部が下がると自動的に線引きマーカーが出ます」と説明されています。装備は機種によって異なります。
マーカーが動かなくなりました。自分で直せますか?
修理
まずフックが外れているかを確かめてください。取扱説明書は準備として「マーカをフックから外して作業状態にします」としており、格納状態のままだと出ません。そのうえで動かない場合、原因の内訳を示した公式資料は見当たりませんでした。参考までに、クボタ純正のマーカーケーブルは通販サイトで6,710円(税込)、JAハイナン農機センターのワイヤー交換(1本)は1時間6,600円(工賃のみ)と公表されています。いずれも2026年9月時点の目安で、機種・地域・依頼先で変わります。

【まとめ】田植え機のマーカーは、この順番で使う

ここまで解説したとおり、田植え機のマーカーは3つで1組です。最後に、順番だけ整理しておきます。

  • 作業前に、ラインマーカ・隣接マーカ・マスコットの3つをセットする
  • 線は次の行程のために引く。次に植える側へ倒す
  • 旋回では、マーカ跡の線とマスコットを重ねながら機械を立て直す
  • 線が見えないときは、隣接マーカを隣の苗の真上に合わせる
  • 移動の前は3つとも収納し、ラインマーカをロックする

この5つのうち、いちばん抜けやすいのが3番です。線だけを見て走ると、線の上にいるかどうかが分かりません。

そして1番も落としやすいところです。マスコットを倒したまま出してくると、3番そのものができません。

ですからシーズン前に、3つがすべて作業状態になっているかを確かめてください。取扱説明書の「田植作業前の準備」に並んでいる項目です。

そして5番は安全の項目です。横に張り出したままの移動は、周りの人や物に当たる危険があります。

維持研くん
維持研くん
シーズン初日に3つのセットを確かめるだけで、その年の仕上がりが変わります。

反対に、合わせているのに間隔が揃わないときは調整の出番です。前後の角度、上下の高さ、作動力の3か所を1つずつ試してください。

費用の見通しも整理しておきます。ケーブルの部品代が6,710円、ワイヤー交換の工賃が1時間6,600円でした。

ただし、原因がケーブルと決まったわけではありません。ですから金額はあくまで、頼むかどうかを考えるための目安になります。

シーズン中に止まると、田植えそのものが遅れます。そう考えると、点検のタイミングは作業が始まる前になります。

なお、この記事の記載は2026年9月時点で公表されている取扱説明書・製品ページ・料金表をもとにした目安です。機種・型式によって装備も名称も異なります。

実際の操作と調整は、必ずお手元の取扱説明書に従ってください。判断に迷うときは、メーカーの販売店やJAの農機センターにご相談ください。

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