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クボタの取扱説明書は、冷却水に不凍液(ロングライフクーラント)を50%入れるよう書いています。割合を誤ると、冬は凍結、夏はオーバーヒートの原因になるとも注意しています。
2026年9月時点で、編集部がメーカーの資料を開いて確かめた結果です。
同じ取扱説明書の表では、25%に薄まった液が凍らないと保証されるのは-11.5℃までです。50%なら-35℃までなので、薄め方ひとつで大きな差が開きます。
減るたびに、水だけを足してきた。冬の前に、ホームセンターでどの液を買えばいいか迷っている。
そんな方に向けて、トラクターのクーラント液の選び方と量、足し方と替え方、費用を整理した記事です。
結論から言うと、買うのはLLCと呼ばれる不凍液で、クボタの指定は50%です。KLシリーズなら7.5〜8.0Lが入り、交換は2年ごとが目安でした。

この記事で分かることは、次の4つです。
- 買うべき液の種類と、混ぜてはいけない組み合わせ
- 薄める割合と、何度まで凍らないか
- 必要な量と、足し方・替え方の手順
- 液の値段と、古い液の捨て方
どれも農機メーカーの取扱説明書と点検資料、液のメーカーの製品情報で確かめた内容です。金額には時点と税の扱いも添えています。
トラクターのクーラント液は、何をどれだけ入れるのか?
前半では、クーラント液が何のために入っているのかを押さえます。そのうえで、買う液の種類、薄める割合、必要な量を順に確かめます。
クーラント液の役割|凍結・さび・オーバーヒートを防ぐ

まず、クーラント液とは何かを整理しておきます。トラクターのエンジンは、ラジエーターを通る冷却水で冷やされています。
この冷却水に混ぜる液が、クーラント液です。取扱説明書では不凍液やロングライフクーラントと書かれ、略してLLCとも呼ばれます。
クボタの大型トラクタ向けの点検資料は、その役割を3つ挙げています。冷却水の凍結を防ぐこと、さびを防ぐこと、オーバーヒートを防ぐことです。
中でも見落とせないのが、凍結です。井関農機のイージーセルフチェックBOOK トラクタ編は、冷却水が凍るとエンジンを破損することがあると書いています。
クボタKLシリーズの取扱説明書も、同じ注意をしています。不凍液は水の凍る温度を下げ、凍結によるシリンダやラジエータの傷みを防ぐという説明です。
そのうえで、冬に気温が0℃以下になるなら、不凍液を混ぜるか、冷却水を完全に抜くよう求めています。どちらもしないまま冬を越すのは、避けるべき使い方です。
クボタの機械では、冬の朝の予熱ランプの点き方にも冷却水の温度が関わります。予熱ランプが点かずに迷っている方は、トラクターのグローランプがつかないときの確かめ方もあわせてご確認ください。
なお、新しいトラクターには、工場の出荷時から不凍液が入っています。最初は正しい割合で入っていた液が、年月とともに減ったり薄まったりしていくわけです。
もう1つ、さびを防ぐ働きも見逃せません。クボタの取扱説明書は、不凍液には防錆剤が入っていると書いています。
ですから、凍らない地域でも、水だけで済ませてよいわけではありません。クボタの点検資料は、LLCなら50%の割合で1年を通して使えるとしています。
また、液の傷みは見た目でも分かります。ヤンマーは点検のポイントとして、冷却水の色(緑色)が白くにごっていないかを挙げています。
さらに、漏れた冷却水が乾くと、白い粉が付くとしています。ホースの継ぎ目やラジエーターのまわりに白い跡があれば、漏れを疑う合図です。
買うのはLLC|PTタイプは冬だけ、ほかの液と混ぜない
では、店で何を買えばよいのか。クボタのトラクタセルフメンテナンス(大型トラクタ版)に、手がかりがあります。
この資料は、不凍液を2つに分けています。1つはPTタイプで、冬の間だけ使うよう書かれた液です。
もう1つがLLCで、50%の割合なら1年中使えるとしています。不凍液の有効な期間は、2年です。
取扱説明書でも、指定は不凍液(ロングライフクーラント)です。1年を通して入れておく前提なら、LLCを選ぶのが基本になります。
逆に言えば、PTタイプを入れたまま夏を迎えるのは、資料の使い方から外れます。前の持ち主が何を入れたか分からない中古の機械なら、なおさら確かめておきたいところです。
また、クボタの取扱説明書は、ヒーターの注意書きの中で、冬は外気温に合った濃さの不凍液を使うよう書いています。あわせて、有効期限の切れた不凍液は使わないよう求めています。
次に、混ぜ方の注意です。液のメーカーの古河薬品工業は、ディーゼルエンジン用のクーラントについて、ほかの不凍液や油と混ぜないよう書いています。
足りない分を補うときも、同じ濃さの液を使うよう案内しています。入っている液と違う種類を継ぎ足すのは、避けるということです。
色も、見分ける手がかりになります。古河薬品工業の製品だけでも、緑・赤・青・ピンクの液が並んでいます。
そのため、入っている液の種類が分からないときは、販売店に確かめてから買うと安心です。
さらに、クボタの取扱説明書には、もう1つ注意があります。不凍液を使うときは、ラジエーターの保浄剤を入れないでください、というものです。
理由は、不凍液に防錆剤が入っているためです。保浄剤と混ざると沈殿物ができ、エンジンの部品に悪い影響が出ることがあるとしています。
薄めて使う液と、そのまま入れる液|ラベルで見分ける

まず、店に並ぶクーラント液には、大きく2つの形があります。水で薄めて使う液と、薄めずにそのまま入れる液です。
たとえば通販のトラクター向けの不凍液の一覧にも、両方が並んでいました。2026年9月時点で、2L入りの薄めるタイプと、薄めてある2Lや4L入りの製品です。
薄めずに使う液の例が、古河薬品工業のラクラク クーラント 緑です。メーカーは、希釈せずにそのまま使える調合済みの液で、凍る温度は-40℃としています。
補充するときも、この液をそのまま使うよう書いています。薄めたり、水を足したりする手間がないのが特徴です。同じ製品で継ぎ足していけば、種類が混ざる心配もありません。
また、この製品は、防錆剤にアミン類を使っていないノンアミンのクーラントだと表示されています。成分の違う液を混ぜないためにも、製品名は控えておくと安心です。
一方で、薄めるタイプは、水と混ぜる割合を自分で決めます。割合しだいで凍る温度が変わるので、次の項で見る表が必要になります。
そこで見分けるときは、ラベルの表示を見ます。原液のまま使うのか、水で薄めるのか、凍る温度は何度かが書かれています。
また、古河薬品工業は、凍る温度がその地域の最低気温より低いかを確かめるよう書いています。そのまま使う液を選ぶ場合も、ここは必ず見ておきます。
とくに気をつけたいのが、薄めてある液を、さらに水で薄めてしまうことです。割合が下がれば、凍る温度は上がります。
なお、薄めるときの水について、古河薬品工業は水道水(軟水)を使うよう書いています。特別な水を買いそろえる必要はありません。
では、どちらが割安か。2026年9月時点の通販価格で比べると、薄めるタイプは2Lで1,208円からでした。50%に薄めれば4L分になるので、1Lあたり約302円の計算です。
一方、薄めずに使う液は2Lで1,088円からで、1Lあたり544円です。量をたくさん使うなら薄めるタイプ、手軽さを取るならそのまま使うタイプ、という分かれ方になります。
割合はクボタ50%|薄めるほど凍る温度が上がる

ここが、この記事でいちばん大事なところです。クボタKLシリーズの取扱説明書は、冷却水に不凍液を50%入れ、よく混ぜてから使うよう書いています。
別の箇所でも、クボタは不凍液を清水と混ぜてから、ラジエーターとリザーブタンクに入れるよう書いています。一方でヤンマーは、交換のときに不凍液を必要量入れ、そのあと清水をあふれるまで入れるとしています。
このように、入れる順番の書き方はメーカーで違います。お手元の機械の取扱説明書に合わせてください。
さらに、割合を誤ると、冬は凍結、夏はオーバーヒートの原因になるとしています。決められた割合から外れると、季節によって別の不具合が出るということです。
同じ取扱説明書には、割合ごとに凍らないと保証される温度の表があります。載っている数字は、次のとおりです。
| 不凍液の割合 | 凍らないと保証される温度 |
|---|---|
| 15% | -5℃ |
| 20% | -8℃ |
| 25% | -11.5℃ |
| 30% | -15℃ |
| 35% | -20℃ |
| 40% | -25℃ |
| 45% | -30℃ |
| 50%(クボタの指定) | -35℃ |
| 55% | -43℃ |
表を見ると、50%なら-35℃まで凍らないと保証されています。一方で、25%まで薄まると、保証されるのは-11.5℃までです。
つまり、水だけを足して液が半分の濃さになると、守れる温度が大きく下がります。冬の冷え込みが厳しい地域ほど、この差が効いてきます。
ヤンマーのセルフ点検のページは、外気温に合わせて割合を変える表を載せています。-5℃なら不凍液15%、-30℃なら45%という目安です。
その間も、-10℃で25%、-15℃で30%、-20℃で35%、-25℃で40%と刻まれています。つまり、寒い地域ほど不凍液の割合を上げる考え方です。
実際に、クボタの表と見比べると、数字はよくそろっています。クボタは45%で-30℃まで保証し、ヤンマーは-30℃なら45%としています。
また、液のメーカーの古河薬品工業も、30%で-15℃、50%で-35℃と示していました。クボタの表と同じ数字です。
さらに古河薬品工業は、40%で-25℃、60%で-50℃という数字も載せています。ただし、トラクターでどこまで濃くしてよいかは、液のメーカーの表では決められません。
なお、井関農機は、不凍液の混ぜる割合は液のメーカーや気温で違うとし、液の説明書に従うよう書いています。
このように、メーカーによって割合の決め方は違います。数字はお手元の取扱説明書を優先し、迷ったら販売店に確かめてください。
交換の時期や足し方がメーカーでどう違うかは、トラクターのラジエーター水漏れの確かめ方もあわせてご確認ください。
何L要るか|クボタKLは7.5Lか8.0L
次に、必要な量です。クボタKLシリーズの取扱説明書の給油(水)一覧表に、冷却水の量が載っています。
| 型式 | 冷却水の量 |
|---|---|
| KL31Z(H)・34Z(H)・37ZH・40Z(H)・44Z(H) | 7.5L |
| KL48ZH・53ZH・58ZH | 8.0L |
| リザーブタンク(各型式) | 1.0L |
たとえばKL40Zなら、冷却水が7.5Lで、別にリザーブタンクが1.0Lです。
この7.5Lを50%にするなら、不凍液は約3.75Lの計算です。2L入りの薄めるタイプなら、2本あれば足ります。
具体的には、7.5Lの型式なら、不凍液3.75Lと清水3.75Lを合わせる形です。量をはかれる容器を1つ用意しておくと、割合を守りやすくなります。
同じように、KL48ZHなど8.0Lの型式なら、50%で不凍液は4.0Lです。こちらも2L入り2本がちょうど使い切れる量になります。
なお、クボタの取扱説明書は、混ぜた液をラジエーターとリザーブタンクの両方に入れるよう書いています。リザーブタンクだけ水、という入れ方にはしません。
ただし、表の備考には、不凍液を入れた場合はその量だけ清水を少なくするよう書かれています。液を足しても、全体の量が増えるわけではありません。
また、安全キャブ付きの型式は、ヒーターにも冷却水が回ります。取扱説明書は、ヒーター部に約1.5Lが必要だとしています。
そのため、キャブ付きなら、そのぶん多めに用意しておくと安心です。
もっとも、量は型式やメーカーで変わります。ほかのメーカーの機械は、取扱説明書の給油一覧や仕様の表で確かめてください。
トラクターのクーラント液の足し方・替え方と費用
後半では、減ったときの足し方と、全部入れ替えるときの手順を見ていきます。そのうえで、液の値段と頼んだときの工賃、古い液の捨て方までを確かめます。
足すのは冷えてから|リザーブタンクのFULLまで
まず、量の見方です。クボタの取扱説明書は、リザーブタンクの液がFULLとLOWの間にあれば正常としています。
なぜリザーブタンクを見るのか。取扱説明書によると、ラジエーターの液が減ると、リザーブタンクから自動的に補われる仕組みだからです。
LOWより下なら、FULLまで補給します。リザーブタンクが空に近いときは、ラジエーターキャップを外し、口元まで入っているかも確かめるよう書いています。
見るタイミングにも、注意が要ります。ヤンマーのトラクターのセルフ点検・交換のページが、その理由を書いています。
エンジンが温まっていると、冷却水の量が増えて正確に点検できない、というものです。
ですから、作業のあとではなく、動かす前の冷えた状態で見ます。キャップを外すときも、クボタは停止後30分以上たってからとしています。
一方で、入れすぎも禁物です。井関農機は、上限より上には絶対に入れないよう書いています。
というのも、ラジエーターの性能が十分に出なくなるうえ、冷却水が漏れる原因になるからです。FULLの線で止めるのが正解です。
足す液についても、見ておきます。ヤンマーは、冷却水が少ない場合は清水を補給するよう書いています。
ただ、水だけを足すと、液は少しずつ薄まります。冬の前には、割合も一度確かめておくと安心です。
また、クボタの取扱説明書は、運転中や止めた直後にラジエーターのキャップを絶対に開けないよう書いています。熱湯が噴き出して、やけどをするおそれがあるためです。
なお、何度も足さなければならないなら、どこかから減っていると考えられます。量だけでなく、ホースの継ぎ目などに漏れの跡がないかも見てください。
作業中に水温計の針が上がった方は、トラクターの水温計が上がったときの止め方もあわせてご確認ください。
替え方|クボタは30分待ってから5つの手順

次に、液を全部入れ替える場合です。交換の目安は、クボタが2年、井関農機が600時間か2年に1回、ヤンマーが1年です。
このうち井関農機は、600時間ごと、または2年に1回という書き方です。たとえば年に400時間使う機械なら、1年半で600時間に届く計算になります。
また、クボタの取扱説明書は、不凍液の有効使用期間を2年とし、必ず2年で交換するよう書いています。ヤンマーは、液が白くにごっていれば交換するとしています。
手順は、クボタKLシリーズの取扱説明書に載っています。要点をまとめると、次の5つです。
- エンジンを止めて30分以上待ち、キャップをゆっくり回して圧を抜いてから外す
- ラジエーターのドレーンプラグとキャップを開け、液を全部出す
- リザーブタンクの液も、ポンプなどで抜く
- 水道の水でラジエーターの中を洗い、ドレーンプラグを付ける
- ラジエーターとリザーブタンクに液を入れ、キャップを確実に閉める
入れ終わったら、エンジンを回して量を確かめます。取扱説明書は、リザーブタンクの量と、ラジエーターの給水口のすぐ下まで液があるかを見るよう書いています。
ここを確かめないと、液が足りずにエンジンの破損につながるおそれがあるとしています。
さらに、交換の作業ではエアかみが起きることがあるとも書かれています。エアかみとは、冷却水の通り道に空気が入り込むことです。
そのため、クボタは、交換のときは購入先に相談するよう案内しています。自分で行うのは量の点検と補充までにとどめるのも、1つの考え方です。
また、安全キャブ付きの型式には、追加の手順があります。リザーブタンクの注入口まで液を満たし、ヒーターを入れて温度のつまみをWARMにします。
そのまましばらくエンジンを回し、吹き出し口から温風が出るかを確かめます。温風が出ないときは、購入先に相談するよう書かれています。
さらに、液が冷えると、リザーブタンクの液がラジエーターに吸い込まれます。そこで、タンクの量はちょうどよくなるという説明です。
なお、井関農機も、ドレンコックを開けて抜き、水道水で中を洗ってから入れる流れです。手順の骨組みは、メーカーが違ってもほぼ同じです。
ただし、ドレーンの位置や液の量は型式で違います。作業の前に、お手元の取扱説明書で場所を確かめてください。
あわせて、ホースも見直しておきます。クボタの取扱説明書は、2年ごとの整備の項目にラジエーターホースの交換を挙げています。
ホースの交換は、購入先で点検とあわせて頼むよう案内されています。安全キャブ付きなら、ヒーター用のウォーターホースも2シーズンごとの交換です。
つまり、液を替えるタイミングは、ホースを見直すよい機会でもあります。
費用|LLCは2Lで1,000円台、JAの工賃は表にない

続いて、費用です。まず液の値段を、2026年9月時点の通販の表示価格(税込)で見てみます。
薄めて使うJIS規格品のLLCは、2L入りで1,208円からでした。薄めずに使う液は2L入りで1,088円から、農機用と書かれた4L入りは2,528円です。
ちなみに、農機用の4L入りは薄めずに使う液なので、1Lあたり632円です。手軽さの分、薄めるタイプより割高になります。
そのうえで、KL40Zの7.5Lを50%で入れ替えるなら、薄めるタイプ2本で2,416円からの計算です。液代だけなら、数千円に収まります。
では、販売店やJAに頼んだ場合はどうか。JAハイナン農機センターの料金表には、冷却水の交換だけを載せた項目はありませんでした。
この料金表は、記載のない作業は時間当たり6,600円の工賃で計算するとしています。出張を頼めば、一律1,650円が加わります。
ただ、冷却水の交換にどれくらい時間がかかるかは、料金表からは分かりません。見積もりでは、作業時間と液代を分けて書いてもらってください。
ほかのJAの料金表も確かめましたが、冷却水の交換を単独で載せたものは見つかりませんでした。JA兵庫みらいの表にあるのは、ラジエーター取替の22,000円以上です。
ちなみに、JAハイナンの料金表では、30PSクラス以下の多気筒ディーゼルのラジエーター交換が3時間で19,800円です。税込で、部品代は別です。
つまり、液を入れ替えるだけなら液代と時間の工賃、ラジエーターまで替えるなら桁が変わるということです。
なお、頼む場合は、古い液をどう処理するかも見積もりの時点で確かめておくと安心です。次の項で見るとおり、クボタの取扱説明書も、廃液は購入先などに相談するよう書いています。
オイルなど、ほかの油脂の交換費用も知りたい方は、トラクターのオイル交換費用の内訳もあわせてご確認ください。
冷却水以外の修理費もまとめて比べたい方は、トラクターの修理費用の相場もあわせてご確認ください。
古い液は流さない|冬越しと長期保管も確かめる

まず、入れ替えで出た古い液の扱いです。クボタの取扱説明書は、機械から廃液を抜くときは容器に受けるよう求めています。
そのうえで、地面へのたれ流しや、川や湖、海への投棄はしないでくださいとしています。
捨てるときは、購入先や産業廃棄物処理業者などに相談するよう書いています。決められた規則に従って処理する、という指示です。
さらに、廃棄物をみだりに捨てたり燃やしたりすると、法令で処罰されることがあるとも注意しています。畑や側溝に流すのは避けてください。
次に、冬越しです。クボタの取扱説明書は、冬に不凍液を使わない場合、作業を終えるたびに冷却水を抜くよう書いています。
また、長くしまっておくときの手順も、取扱説明書にまとめられています。エンジンオイルを替えて防錆運転をするなど、冷却水のほかにも項目が並んでいます。
その中で、冷却水は抜いておくよう求めています。ただし、1年中使えるタイプのクーラントなら、抜かなくても構わないとしています。
つまり、LLCを正しい割合で入れておけば、冬ごとに抜く手間は省けるわけです。
ただし、抜かずに済むのは、割合と有効期限が守られている場合です。2年を過ぎた液や、水で薄まった液のまま冬を越すのは避けてください。
屋外に置いたまま冬を越させている方は、農機具の雨ざらしで直すか手放すかの判断もあわせてご確認ください。
一方で、長く動かしていないトラクターは、冷却水のほかにも手入れが要る部分が出てきます。直すか手放すかを比べる場面もあるでしょう。
長く動かしていないトラクターを手放すか迷っている方は、動かないトラクターを手放す前の確認もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
減ったら、水道水を足すだけでもいいですか?
ヤンマーは、冷却水が少ない場合は清水を補給するよう書いています。ただし、水だけを足し続けると液が薄まり、凍る温度が上がります。クボタの取扱説明書の表では、不凍液50%なら-35℃まで保証されますが、25%では-11.5℃までです。冬の前には割合を確かめ、足りなければ同じ濃さの液で補ってください。
色の違うクーラント液を混ぜてもいいですか?
液のメーカーの古河薬品工業は、ほかの不凍液と混ぜないよう書いています。補充も、同じ濃さの液で行うよう案内しています。入っている液の種類が分からないときは、販売店に確かめてから買うと安心です。
冬のあいだ使わないときは、冷却水を抜くべきですか?
クボタの取扱説明書は、長くしまうときは冷却水を抜くよう書いています。ただし、1年中使えるタイプのクーラントなら、抜かなくても構わないとしています。冬に不凍液を使わない場合は、作業を終えるたびに抜くよう求めています。
車用のクーラント液を入れてもいいですか?
編集部が確かめた農機メーカーの資料には、車用の液を使ってよいかどうかの記載は見つかりませんでした。クボタの取扱説明書が指定しているのは、不凍液(ロングライフクーラント)です。お手元の取扱説明書の指定を確かめ、迷ったら購入先に相談してください。
【まとめ】トラクターのクーラント液は、この順番で確かめる
ここまで解説したとおり、トラクターのクーラント液は、薄め方で守れる温度が大きく変わります。最後に、確かめる順番を整理しておきます。
- リザーブタンクの量が、冷えた状態でFULLとLOWの間にあるかを見る
- 買うのはLLCで、入っている液と違う種類は混ぜない
- 割合は取扱説明書の指定を守る(クボタKLは50%)
- 交換はクボタで2年ごと、エアかみが心配なら購入先に頼む
- 古い液は容器に受け、購入先や処理業者に相談して捨てる
この5つのうち、いちばん飛ばされやすいのが3番です。水だけを足してきた機械は、25%まで薄まると-11.5℃までしか保証されません。
そして1番は、お金のかからない確認です。作業の前、エンジンが冷えているうちに見るのが決まりでした。
費用の見通しも整理しておきます。液代は2L入りで1,000円台からで、KLシリーズの入れ替えなら2本ほどです。販売店に頼む場合、JAハイナンでは記載のない作業は時間当たり6,600円でした。
冬の前に割合を確かめておけば、凍結でエンジンを傷めるおそれを小さくできます。数千円で防げる出費は、先に防いでおきましょう。
なお、この記事の金額は2026年9月時点で公表されている内容をもとにした目安です。機種・年式・状態・地域・依頼先によって変わります。
冷却水の量や割合、交換の手順は、必ずお手元の取扱説明書に従ってください。判断に迷うときは、メーカーの販売店やJAの農機センターにご相談ください。