※本ページはプロモーションが含まれています

JAFは、軽油で走るディーゼル車にガソリンを入れると、エンジンが故障するとしています。気づいたら、エンジンをかけず、電源も入れないよう案内しています。
2026年10月時点で、編集部がメーカーやJAF、消防の公開資料を開いて確かめた結果です。
理由は、軽油がエンジンの噴射ポンプやノズルの潤滑も担っているためです。ガソリンには、その働きがありません。
軽トラにはガソリン、トラクターには軽油。同じ日に両方へ給油する。納屋に、耕うん機用のガソリン携行缶と軽油の容器が並んでいる。
そんな方に向けて、トラクターのガソリンと軽油の見分け方と、入れ間違えたときの対処を整理した記事です。
結論から言うと、乗用トラクターの燃料は軽油です。間違えてガソリンを入れたら、エンジンをかけずに販売店で抜いてもらいます。

この記事で分かることは、次の4つです。
- 乗用トラクターと耕うん機などの燃料の違い
- 冬の軽油の選び方と、携行缶の決まり
- 入れ間違えたときに、してはいけないこと
- 修理になったときの工賃の目安
どれも取扱説明書やJAF、消防の公開資料で確かめた内容です。金額には時点と税の扱いも添えています。
トラクターの燃料は、ガソリンか軽油か?
前半では、機械ごとの燃料の違いを取扱説明書で確かめます。そのうえで、冬の軽油の選び方、入れ間違いが起きやすい場面、燃料を運ぶ容器の決まりを見ていきます。
乗用トラクターは軽油|取扱説明書の指定

まず、乗用トラクターの燃料です。クボタKLシリーズの取扱説明書は、燃料には「ディーゼル軽油」を使うよう書いています。
つまり、KLシリーズのエンジンは軽油で動くディーゼルエンジンです。ガソリンを入れる機械ではありません。
同じ取扱説明書の給油一覧表でも、燃料の欄は「ディーゼル軽油」です。タンクの量は、KL31Z・34Zで40L、KL37ZHから44Zで39L、KL48ZHから58ZHで48Lでした。
満タンにすると、39〜48Lの軽油が入る計算です。車の給油と同じように、スタンドで入れる方もいれば、容器から入れる方もいるでしょう。
また、給油のときの注意も書かれています。燃料を補給するときはエンジンを必ず止め、火気は厳禁としています。
なお、ほかのメーカーのトラクターも、燃料の指定は取扱説明書の給油一覧や仕様の表に書かれています。自分の機械の指定を、一度確かめておくと安心です。
また、中古で買った機械は、取扱説明書が手元にないこともあります。その場合は、型式を控えて販売店に問い合わせれば、燃料の種類を確かめられます。
耕うん機や田植え機にはガソリンの機種も|取扱説明書で確かめる

一方で、農機の中にはガソリンで動く機械もあります。たとえば、ホンダの耕うん機FF300の取扱説明書は、使用燃料を無鉛レギュラーガソリンとしています。
そのうえで、軽油や灯油、粗悪なガソリンなどを入れると、エンジンなどに悪い影響を与えると書いています。合わない燃料添加剤を使った場合も同じです。高い濃度のアルコールを含む燃料も、エンジンや燃料系を傷める原因になるとしています。
さらに、ガソリンは自然に劣化するので、30日に1回、新しいガソリンと入れ替えるよう求めています。燃料タンクの容量は0.78Lです。
また、給油のときの注意も並んでいます。エンジンを止め、風通しのよい場所で火を近づけずに入れること、こぼさないよう給油の限界の位置を超えないことなどです。
加えて、静電気を取り除いてから給油し、キャップを確実に締めるよう書いています。札幌市消防局も、ガソリンは非常に揮発しやすい燃料だと注意しています。
つまり、同じ納屋の中に、軽油で動くトラクターとガソリンで動く耕うん機が並んでいることがあるわけです。燃料の容器も、2種類そろうことになります。
しかも、耕うん機のタンクは0.78Lと小さめです。スタンドで直接入れるより、携行缶から少しずつ入れる使い方が中心になるでしょう。容器から入れる回数が増えるほど、取り違えの機会も増えます。
また、田植え機にもガソリンエンジンの機種があります。当サイトの田植え機の記事でも、去年のガソリンが残っていないかを確かめる項目を設けています。
ですから、どの燃料を使うかは機種ごとに確かめる必要があります。耕うん機や管理機、田植え機も、給油の前にそれぞれの取扱説明書で確かめてください。
田植え機がかからなくて困っている方は、田植え機のエンジンがかからないときの確かめ方もあわせてご確認ください。
軽油は5種類|冬は凍り始める温度で選ぶ
次に、軽油そのものの種類です。クボタKLシリーズの取扱説明書には、ディーゼル軽油の種類が表で載っています。
| 軽油の種類 | 流動点 |
|---|---|
| 特1号 | +5℃以下 |
| 1号 | -2.5℃以下 |
| 2号 | -7.5℃以下 |
| 3号 | -20℃以下 |
| 特3号 | -30℃以下 |
まず、流動点とは、燃料が流れにくくなる目安の温度です。取扱説明書は、流動点付近より下の温度になると燃料の流れが悪くなり、エンジンの始動が難しくなるとしています。
そのため、地域と季節に見合ったものを使うよう書いています。寒い地域の冬ほど、流動点の低い軽油が要るということです。
表を見ると、いちばん高い特1号の+5℃以下と、いちばん低い特3号の-30℃以下では、35℃もの差があります。同じ軽油でも、冬の寒さへの強さはまるで違うわけです。
ふだんはスタンドで入れるので、種類を自分で選ぶ場面は少ないかもしれません。ただ、暖かい時期に買った軽油を容器に入れたまま冬まで残すと、季節に合わないことも考えられます。
冬の朝やガス欠のあとにかからない方は、トラクターのエンジンがかからないときに見る5か所もあわせてご確認ください。
軽トラはガソリン、トラクターは軽油|入れ間違いが起きやすい場面
では、入れ間違いはどんなときに起きるのか。JAFの間違った燃料を給油した場合に起こるトラブルのページは、名前からの思い込みを挙げています。
軽自動車の「軽」から軽油を連想して間違える例が報告されているとし、軽自動車の燃料はすべてガソリンだと注意しています。
農業では、軽トラとトラクターを両方使う方も多いでしょう。軽トラはガソリン、トラクターは軽油と、名前から受ける印象とは逆の組み合わせになります。
また、クボタの取扱説明書は、ドラム缶やホームタンクから燃料を補給する場合の注意も書いています。スタンドで直接入れるのではなく、容器やタンクから入れる場面もあるということです。
たとえば、KL31ZとKL34Zには「カンタン給油台」が付いています。20kgまでのポリタンクを載せて、市販の給油ポンプで入れられる台です。
つまり、メーカー自身も、容器から給油する使い方を想定しているわけです。便利な反面、載せたタンクの中身が本当に軽油かどうかは、自分で確かめるしかありません。
そうした場面では、容器の中身を取り違えるおそれがあります。ガソリン用と軽油用の容器は、色や表示ではっきり分けておくことが大切です。
実際に、札幌市消防局は、軽油を運ぶときは容器に「軽油」の表示が要るとしています。表示は決まりであると同時に、取り違えを防ぐ目印にもなります。
さらに、家族で機械を使い回している場合は、だれが入れても分かるようにしておくことも大事です。給油口のシールや容器の表示は、自分以外の人のための目印でもあります。
あわせて、いつ、どの機械に、どの容器から入れたかを書き留めておくと安心です。万一エンジンの調子がおかしくなったときも、燃料を疑うべきかどうかの手がかりになります。
携行缶とポリ容器|ガソリンと軽油で決まりが違う

燃料を容器で買って運ぶ場合は、決まりにも注意が要ります。札幌市消防局の危険物の貯蔵、取扱い、運搬のQ&Aに、分かりやすくまとめられています。
まず、ガソリンです。灯油用の18Lポリ容器でガソリンを運ぶことはできません。プラスチック容器なら10L以下で、ガソリン用の性能試験をクリアしたものに限られます。
乗用車などで運ぶ場合は、性能試験をクリアした金属製容器で、最大22L以下と決められています。一般に「ガソリン携行缶」と呼ばれる容器です。
では、手近な容器で代わりにならないか。同じQ&Aは、飲み物のペットボトルは使えないとしています。性能試験をクリアしていないうえ、ガソリンで変形したり、ひびが入ったりして漏れるおそれがあるためです。
さらに、エンジンオイルの缶や一斗缶も、金属製なら何でもよいわけではないとしています。ガソリン用として性能試験をクリアした金属製容器であることが必要です。
そうした容器は、ホームセンターや自動車用品店で買えるそうです。性能試験をクリアした容器には、「試験確認済証KHK危険物保安技術協会」などの表示があります。
なお、このQ&Aは、ガソリンだけでなく灯油や軽油を運ぶ場合も、性能試験をクリアした金属製容器を勧めています。燃料ごとに専用の容器を用意するのが基本です。
| 燃料 | 容器の決まり |
|---|---|
| ガソリン | 性能試験をクリアした金属製容器。乗用車で運ぶときは22L以下 |
| ガソリン(プラスチック容器) | 10L以下で性能試験をクリアしたものに限る。灯油用の18Lポリ容器は不可 |
| 軽油 | 灯油用ポリ容器は法令上の規制なし。軽油用の金属製容器を指導。運ぶときは「軽油」の表示 |
| 灯油 | セルフのスタンドで、客が自分で容器に入れられる |
なお、ガソリンを灯油用のポリ容器で運ぶと、消防法違反です。3か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。
理由は、ポリ容器がガソリンで傷んで変形し、漏れるおそれがあるためです。さらに、静電気がたまってフタを開けた瞬間に引火し、火災になった事例もあるとしています。
加えて、ガソリンはとても揮発しやすい燃料です。キャップが劣化していると内側の圧力に耐えられずにフタが外れ、ガソリンの蒸気が漏れる危険もあるとしています。
一方、軽油です。灯油用のポリ容器に軽油を入れることは、法令上は規制されていません。ただ、容器の性能試験は灯油で行っているので、軽油の影響は分からないとしています。
そのうえで、軽油用として性能試験をクリアした金属製容器に入れるよう指導していると書いています。スタンドの中には、自主的な基準で軽油を容器に入れないところもあるそうです。
また、セルフのスタンドで客が自分でできるのは、車のタンクへの給油と、灯油を容器に入れることだけです。ガソリンを容器に入れたいときは、従業員に相談します。
ちなみに、灯油を容器に入れるときの注意もあります。札幌市消防局は、車の荷台にポリ容器を置いたまま入れないよう呼びかけています。あふれた灯油が熱いエンジンやマフラーにかかると、火災になるおそれがあるためです。
さらに、総務省消防庁のガソリンの取扱いに関する通知によると、2020年2月1日から決まりが変わりました。ガソリンを容器に入れて売るときは、本人確認と使い道の確認、販売の記録が必要です。
なお、家に燃料をためておく量にも決まりがあります。札幌市の場合、個人の住まいでガソリンを100L以上、灯油や軽油を500L以上ためるときは届け出が要るとしています。
さらに多い量、ガソリンなら200L以上、灯油や軽油なら1,000L以上になると、消防法の許可が要ります。許可なくためると罰則があると書かれています。
数量や手続きは、市町村の条例によって違います。多めにためておく方は、お住まいの地域の消防署に確かめてください。
トラクターにガソリンを入れてしまったら
ここからは、実際に入れ間違えてしまった場面を考えます。後半では、入れ間違えたときにしてはいけないことと、壊れる理由を見ていきます。そのうえで、修理になったときの工賃と、給油のたびに確かめることを整理します。
気づいたらエンジンをかけない|電源も入れずに抜いてもらう

まず、入れた直後に気づいた場合です。JAFの燃料を入れ間違えた場合の対処方法は、軽油の車にガソリンを入れたらエンジンを始動しないよう案内しています。
さらに、電源もONにせず、整備工場で燃料を抜き替えてもらう必要があるとしています。
これは自動車向けの案内ですが、軽油で動くディーゼルエンジンという点はトラクターも同じです。トラクターなら、購入先の販売店やJAの農機センターに連絡します。
- エンジンをかけない
- キーを回して電源を入れない
- 購入先に連絡して、燃料を抜いてもらう
- どれくらい入れたか、エンジンをかけたかを伝える
連絡するときは、機械の型式と、何をどれくらい入れたか、エンジンをかけたかどうかを伝えます。それだけで、販売店は必要な作業と部品の見当を付けやすくなります。
ここで気をつけたいのが、給油のときの便利な機能です。クボタKLシリーズの満タンお知らせブザーは、キーを「入」にし、エンジンをかけない状態で給油すると鳴る仕組みです。
つまり、この機能を使いながら給油していると、電源が入った状態になっています。間違いに気づいたら、それ以上の操作はせずに購入先へ相談してください。
一方、エンジンをかけてしまった場合は、手間が大きくなります。JAFは、燃料の入れ替えに加えて、燃料フィルターの交換や燃料配管の洗浄などが必要になるとしています。
そのうえ、噴射ポンプなどが故障している可能性もあるそうです。かけたかどうかで、修理の範囲が大きく変わるということです。
JAFの別のページも、エンジンをかける前に速やかに燃料を入れ替え、タンクを洗うことが大切だとしています。かけてしまうと、より大きな傷みにつながるおそれがあるという説明です。
なお、ガソリン車に軽油を入れた場合も、JAFは同じくエンジンを始動せず、整備工場で抜き替えるよう案内しています。耕うん機などのガソリンの機械に軽油を入れたときも、自己判断で動かさず購入先に相談するのが確実です。
なぜ壊れるのか|軽油は噴射ポンプの潤滑も担う

では、なぜガソリンで壊れるのか。JAFは、軽油がディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプとノズルを潤滑していると説明しています。
ところが、ガソリンには、この潤滑の働きがありません。そのため、部品の交換が必要になる場合があるとしています。
また、ディーゼル車にガソリンを入れて走ると、白い煙が出て、やがてエンジンが止まるとしています。
反対に、ガソリン車に軽油を入れると、加速が鈍くなって黒い煙が出て、エンジンが止まります。軽油は蒸発する温度が高く、燃えにくいためです。
耕うん機のようなガソリンエンジンの機械も同じです。ホンダの取扱説明書は、軽油を入れるとエンジンなどに悪い影響を与えるとしていました。
つまり、どちら向きの間違いでも、エンジンは正常には動きません。燃料は、機械ごとの指定どおりに入れるしかないということです。
さらに、クボタの取扱説明書は、コモンレール仕様のエンジンの燃料噴射部品は超精密に仕上げられていると書いています。作動不良を防ぐための注意です。
そのため、ドラム缶やホームタンクから補給するときは、水や砂などの異物にも注意するよう求めています。
つまり、ガソリンで噴射ポンプやノズルが傷めば、次の項で見る部品の交換につながります。エンジンをかけずに抜くことが、いちばんの節約になるわけです。
修理の費用|JAの料金表で工賃を見る

最後に、修理の費用です。入れ間違いの修理代そのものを公表している資料は見つかりませんでしたが、関係する作業の工賃はJAの料金表で確かめられます。
手がかりは、JAハイナン農機センターの農機修理標準技術料金表です。30PSクラス以下の多気筒ディーゼルでは、噴射ノズル交換が1気筒あたり1.2時間で7,920円でした。
同じ表で、燃料の通り道の空気を抜くエアー抜きは、0.3時間で1,980円でした。
また、10PSクラス以下の横形ディーゼルも載っています。噴射ポンプの分解整備が1.2時間で7,920円、噴射ポンプ交換が0.5時間で3,300円です。
ガソリンエンジンでは、キャブレターの分解整備が4,400円となっています。どれも税込で、部品代は別です。
なお、クボタの取扱説明書は、KL31Zと34Zの空気抜きについても書いています。燃料フィルターや配管を外したときは、燃料の空気抜きが必要だとしています。燃料を入れ替えたあとも、こうした作業が加わることが考えられます。
一方で、燃料を抜いてタンクを洗う作業は、表に項目がありませんでした。表にない作業は、時間当たり6,600円の工賃で計算するとしています。出張を頼めば、一律1,650円が加わります。
さらに、同じ料金表には夜間の割増もあります。午後6時以降に修理や整備がかかる場合は、30%の割増としています。夕方の作業のあとに入れ間違いに気づいたときは、頼む時間帯でも費用が変わるということです。
たとえば3気筒のエンジンで噴射ノズルを全部替えるなら、工賃だけで7,920円×3=23,760円の計算です。これに部品代がかかります。
ですから、見積もりでは、エンジンをかけたかどうかを必ず伝えてください。工賃と部品代を分けて書いてもらうと、比べやすくなります。
また、ここで挙げた金額は1つのJAの公表例です。エンジンの種類や気筒数、地域によって変わるので、あくまで目安として見てください。
燃料まわり以外の修理費も比べておきたい方は、トラクターの修理費用の相場もあわせてご確認ください。
給油のたびに確かめること|異物・こし網・ガス欠
入れ間違いを防ぐには、給油のたびの確認が近道です。クボタの取扱説明書は、給油のときにこし網を外さないよう書いています。
ちなみに、こし網は、給油口に付いている網です。異物がタンクに入るのを防ぐ役目があります。
あわせて、燃料キャップの空気穴が土やごみでふさがれていないか、キャップが締まっているかも点検するよう書いています。
もう1つ、燃料に混じった水にも注意が要ります。クボタKLシリーズのうちKL37Zから58ZHまでの型式には、燃料から水を分けるセパレータが付いています。
分けた水がたまると、赤いフロート(浮き)が浮き上がる仕組みです。排出の目安の線まで上がったら、燃料コックを閉めて下のドレーンプラグから水を出すよう書かれています。
小さなKL31Zと34Zでは、燃料フィルターのカップに水やごみがたまります。たまったら、カップを外して軽油で洗うよう書かれています。
どちらの場合も、作業のあとは必ず空気抜きをするよう求めています。燃料に水が混じっていないかを見ることも、給油のたびの確認に加えておきたいところです。
また、満タンお知らせブザーのような機能も役立ちます。取扱説明書によると、あふれるのを防ぐため、満タンの手前で鳴るよう設定されています。
使い方は、キーを「入」にしてエンジンはかけずに給油するだけです。入れ始めると「ピ…ピ…」と断続的に鳴り、満タンに近づくほど間隔が短くなり、満タンで「ピー」と続けて鳴ります。
さらに、燃料を切らさないことも大切です。ガス欠のあとは、燃料を足しただけではエンジンがかからないことがあります。
実際に、クボタの取扱説明書は、KL31Zと34Zで燃料の空気抜きが必要な場面を3つ挙げています。燃料フィルターや配管を外したとき、燃料切れが起きたとき、長いあいだ使わなかったときです。
ですから、残りが少なくなったら早めに入れておくのが、いちばん手間のかからない方法です。空気抜きの手順は、先に紹介したエンジンがかからない記事で確かめてください。
なお、農業に使う軽油は、手続きをすれば税金の一部が免除されます。1Lあたり15円の軽油引取税がかからなくなる仕組みです。
軽油の使う量や免税の手続きも知りたい方は、トラクターの燃費の目安と燃料代もあわせてご確認ください。
一方で、入れ間違いの修理が重なったり、ほかにも不調が出ていたりする場合は、直すか手放すかを比べる場面もあります。
修理代がかさみ、直すか手放すか迷っている方は、動かないトラクターを手放す前の確認もあわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
少しだけガソリンを入れてしまいました。抜かないとだめですか?
JAFは、軽油の車にガソリンを入れたらエンジンを始動せず、電源も入れずに整備工場で抜き替えるよう案内しています。量が少なければ大丈夫という目安は、編集部が確かめた資料には見当たりませんでした。エンジンをかける前に、入れた量を伝えて購入先に相談してください。
トラクターに灯油を入れてもいいですか?
クボタKLシリーズの取扱説明書は、燃料にディーゼル軽油を使うよう指定しています。灯油を使ってよいとする記載は、編集部が確かめた資料には見当たりませんでした。燃料は、お手元の取扱説明書の指定どおりに入れてください。
軽油は、灯油用のポリタンクで買えますか?
札幌市消防局によると、灯油用のポリ容器に軽油を入れることは法令上は規制されていません。ただし、容器の性能試験は灯油で行われているため、軽油用の金属製容器に入れるよう指導しています。運ぶときは容器に「軽油」の表示が必要で、自主的な基準で容器に入れないスタンドもあります。
耕うん機用のガソリンを携行缶に入れてもらうには?
セルフのスタンドでは、客が自分でガソリンを容器に入れることはできないため、従業員に頼みます。容器は、ガソリン用の性能試験をクリアした金属製の携行缶を使い、乗用車で運ぶなら22L以下です。2020年2月からは、購入するときに本人確認と使い道の確認が行われます。
【まとめ】トラクターのガソリンと軽油は、この順番で確かめる
ここまで解説したとおり、トラクターの燃料は軽油で、ガソリンを入れたらエンジンをかけないことが大切です。最後に、確かめる順番を整理しておきます。
- 乗用トラクターの燃料は軽油。取扱説明書の指定を確かめる
- 耕うん機などガソリンの機械とは、容器と表示を分ける
- 冬は、地域と季節に合った軽油を使う
- ガソリンは、性能試験をクリアした金属製の携行缶で運ぶ
- 入れ間違えたら、エンジンをかけずに購入先へ連絡する
この5つのうち、いちばん飛ばされやすいのが2番です。容器が同じ色や形だと、中身を取り違えるもとになります。
そして5番は、損を小さくする分かれ目です。JAFの案内では、エンジンをかける前なら抜き替えで済みます。かけたあとは、燃料フィルターの交換や配管の洗浄まで必要になります。
費用の見通しも整理しておきます。JAハイナンの料金表では、噴射ノズル交換が1気筒あたり7,920円、エアー抜きが1,980円でした。表にない作業は時間当たり6,600円です。
また、4番の携行缶も見落とされがちです。灯油用のポリ容器でガソリンを運ぶと消防法違反になり、罰金などの対象になります。性能試験をクリアした金属製の容器を、1つ用意しておきましょう。
燃料の入れ間違いは、気づいた時点でどう動くかで出費が変わります。迷ったらエンジンをかけずに、まず電話で相談してください。
なお、この記事の金額は2026年10月時点で公表されている内容をもとにした目安です。機種・年式・状態・地域・依頼先によって変わります。
燃料の種類や給油の手順は、必ずお手元の取扱説明書に従ってください。判断に迷うときは、メーカーの販売店やJAの農機センターにご相談ください。